聖地・下地島は「宇宙港」で大化けするか すでに16社参加表明、ベンチャー企業の挑戦

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   かつては航空ファンの間で「聖地」として知られた沖縄県の下地島空港(宮古島市)が、産業振興の拠点としての役割も担うことになりそうだ。宇宙旅行の提供を目指すベンチャー企業「PDエアロスペース」(名古屋市)が2021年6月22日、下地島空港を「宇宙港」として整備するための「下地島宇宙港事業推進コンソーシアム」を立ち上げると発表した。

   沖縄県が17年に公募していた「下地島空港及び周辺用地の利活用事業提案」にPD社が応募して採択が決定。すでに試験飛行に向けた拠点として利用しているが、緒川修治社長いわく「我々は『機体屋さん』で、宇宙港事業は全く門外漢」。主に地元からブレーンの役割を担う会社を募る。

  • PDエアロスペースの「宇宙飛行機」(スペースプレーン)は、下地島空港の「宇宙港」を拠点に離着陸する。2025年の有人飛行を目指す(写真提供:PDエアロスペース)
    PDエアロスペースの「宇宙飛行機」(スペースプレーン)は、下地島空港の「宇宙港」を拠点に離着陸する。2025年の有人飛行を目指す(写真提供:PDエアロスペース)
  • PDエアロスペースの「宇宙飛行機」(スペースプレーン)は、下地島空港の「宇宙港」を拠点に離着陸する。2025年の有人飛行を目指す(写真提供:PDエアロスペース)

22年に宇宙空間飛行、25年に有人飛行目指す

   かつて下地島空港は日本航空(JAL)や全日空(ANA)が大型機で訓練飛行を行う場所として航空ファンの間で人気があったが、両社の撤退後は県が空港の使い道を探していた。それに応える形で三菱地所が旅客ターミナルビルの整備を進め、18年からジェットスター・ジャパンをはじめとする国内外のLCCが乗り入れている。

   PD社が目指しているのは、垂直に打ち上げるロケットを使うのではなく、翼のついた「宇宙飛行機」(スペースプレーン)を利用した、「準軌道」(サブオービタル)と呼ばれる形式の宇宙飛行。ジェットエンジンを使って離陸し、高度15キロでロケットエンジンを点火。高度110キロまで上昇して高度を下げ、高度30キロで大気圏に再突入。その後は再びジェットエンジンを使って飛行し、空港に戻る。

   PD社がすでに下地島に設けている拠点では、早ければ21年7月中に無人実験機の6号機の試験飛行を行う。並行して高度100キロまで飛べる無人の7号機の開発を進め、22年12月に宇宙空間の飛行を実現させたい考え。25年5月頃には有人飛行ができる8号機の飛行を目指す。

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