プロ野球・巨人の原辰徳監督(62)の采配を巡りインターネットで様々な憶測が広がった。
巨人は2021年6月20日、甲子園で阪神と対戦し2-1で勝利した。巨人は先発・高橋優貴(24)を含めて5人の投手をつぎ込んで接戦をものにしたが、1点リードの7回における原監督の投手起用が話題を集めた。
実況アナ「ランナーがちょっと怪しい動きをしたんですかね」
この回から3番手・高梨雄平(28)がマウンドに上がった。高梨は1死後に梅野隆太郎(30)に四球を許し、2死1塁から近本光司(26)に死球を与えた。2死1、2塁で打席に北條史也(26)を迎え、3球目のスライダーが暴投となり2死2、3塁のピンチに。そして4球目のスライダーで北條を空振りさせカウントは2ボール2ストライク。ここで巨人ベンチが動いた。
原監督と桑田投手チーフコーチ補佐がベンチから出て、原監督が球審に何かしらを告げベンチに下がった。これを受け、審判団がフィールド内に集まり協議を始めた。
原監督が球審に対して何をアピールしたのかこの時点で不明だったため、試合を中継したCS放送「スカイA」の実況アナウンサーは「ランナーがちょっと怪しい動きをしたんですかね。ジャイアンツ側からのアピールですから考えられるとしたらそういうところでしょうね。桑田コーチも出てきてましたので」と困惑した様子で伝えた。
その直後、審判団から場内への説明がないまま高梨の降板がアナウンスされると、さらに「謎」が深まった。
阪神OBで「スカイA」の解説を務めた下柳剛氏は「何だったんでしょうか」と疑問を口にし、「もしケガだとしたらリリーフで出てきた緊急登板ということになって何球も投げれるシステムになるので、正式に交代となったら5球しか投げられないので、これは緊急登板の扱いになるのか確認したのか」と話すにとどめた。
ツイッターでは「審判の説明ないから変な憶測が...」
スポーツ各紙の報道によると、原監督は投手を交代させようとし、それが可能かどうか球審に確認したうようだ。これに対して球審は交代できるタイミングではないと一度は判断したが直後、審判団で協議した結果、交代可能だと判断したものとみられる。
ここで問題となったのは桑田投手チーフコーチ補佐がマウンドに向かったタイミングだ。規定では、投手コーチがマウンドに行った場合、同一打者の間ならば投手交代が出来ない。球審は当初、北條の打席の時に桑田投手チーフコーチ補佐がマウンドに行ったものだと認識していたが実際、桑田投手チーフコーチ補佐がマウンドに行ったのは北條が代打を告げられる直前だった。
結果的に球審の「勘違い」によるドタバタだったが、中継での実況・解説のやり取りや、試合中に審判団から説明がなかったこともあって、SNSでは「原采配」に関して様々な憶測が広がった。
ツイッターでは「サイン盗みが疑われてるのか?」「とりあえずサイン盗みはない」「継投の時間稼ぎ」などの声が上がり、「審判の説明ないから変な憶測が飛ぶ」と不満をあらわにするファンもいた。
結局、7回のこの場面は4番手・鍵谷陽平(30)は1球で北條を空振り三振に斬って取り無失点でしのいだ。鍵谷は回をまたいで8回を無失点で抑え、9回にビエイラ(28)が気迫の投球で阪神打線を抑えてゲームセット。勝負への執念を見せた原巨人が阪神との3連戦で2勝1敗と勝ち越し、阪神とのゲーム差を「6」とした。