元プロレスラーの前田日明さんが2021年6月16日、自身の公式YouTubeチャンネルに公開した動画で、朝倉未来選手の"失神KO負け"について持論を展開した。
試合前「未来はキツイね」と予想していた
6月13日に東京ドームで開催された「Yogibo presents RIZIN.28」のメインイベントでクレベル・コイケ選手と対戦し、2ラウンド1分51秒、三角絞めにより失神KO負けを喫した朝倉選手。
前田さんは朝倉選手が格闘家として飛躍するきっかけとなった格闘技大会「THE OUTSIDER」の主宰者で、「RIZIN」に活躍の場を移した後も、その戦いぶりを見守ってきた。しかし、クレベル戦に先立って5月20日に公開された動画では、「いや~未来はキツイね」「未来のカウンターって結構ネタバレしてるから、クレベルが真剣に研究してきたら完封されるだろうね」と、敗北を予言するかのような発言をしていた。
今回公開された「【RIZIN.28】朝倉未来VSクレベル・コイケ 敗戦は千載一遇のチャンス!前田が朝倉未来に思うこととは...」と題した動画で、前田さんは「クレベルが、俺の発言を見てやったと思うくらいその通りにやってましたね」と苦笑い。その上で、1ラウンド後半、朝倉選手がクレベル選手にアッパーとフックをヒットさせたシーンを振り返り、「あそこで(勝負に)いかなかったのが敗因」と言い切った。
「朝倉未来は最強じゃなきゃダメなんですよ」
さらに、2018年8月に行われた朝倉選手の「RIZIN」デビュー戦となった日沖発選手との戦いに言及して、「あの頃は今回のクレベルと未来ぐらい、色んな技術的な差があった」と言い、「日沖戦の時は勝って、クレベルの時はせっかくのチャンスなのに行けなかった」と指摘した。
また前田さんは、かつて朝倉選手との対談時に「未来、お前、金を持つということはすごい怖いことだよ」と助言したことを回想し、「これがそうなんですよね。行く時に行けなくなる。死ぬのは怖くないけど、死ねなくなるんですよ。死ぬのは怖くないっていうやつはごまんといるんですよ。でも、死ねなくなるんですよ。有名になったり、金を持ったりするとね。日沖戦の時の未来だったら、今回のクレベルに勝ってますよ。あの頃の未来の思い切りの良さだったら勝ってますね」と私見を述べた。
加えて、朝倉選手がクレベル戦の1ラウンド終了時、相手に向かって挑発するような笑顔を投げかけたことについて「バカな格好つけとか気にしてさ。もう、格好なんてどうだっていいよ。『お前、もっと迫力出せよ』って思いますよ」と喝を入れた。
このように苦言を呈した前田さんだったが、苦境に立たされた朝倉選手に対して「これは千載一遇のチャンス。彼が大きく飛躍するチャンスにしてほしい」と願望を語り、「精神的な部分で初心に帰ってほしい。彼自身も言っていたけど、朝倉未来は最強じゃなきゃダメなんですよ」と熱いエールを送った。
コメント欄には「ほんと洞察力が凄いな」「もうね、筋、正論すぎてなんもいえん。冷静で的を射る客観視さすが神の目をしてる」「愛があるなあ。そして格闘王の説得力よ」など称賛の声が相次いでいる。