俳優の松たか子さんが主演を務めるドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ・フジテレビ系)が、2021年6月15日の放送で最終回を迎えた。大人の恋や生き方をじっくり描いた作品の終わりに、視聴者からはロスの声が多くあがっている。
元夫3人と穏やかな時間を過ごすとわ子
脚本は、「東京ラブストーリー」(1991年)や「カルテット」(2017年)などで知られる坂元裕二さん。3回結婚して3回離婚したいわゆる「バツ3」にして建設会社「しろくまハウジング」の社長を務めるとわ子(松たか子さん)と、とにかく女性にモテるレストランのオーナー・田中八作(松田龍平さん)、器の小さいファッションカメラマン・佐藤鹿太郎(お笑いトリオ「東京03」角田晃広さん)、堅物エリート弁護士・中村慎森(岡田将生さん)の3人の元夫が繰り広げるロマンティックラブコメディーだ。
※以下、ネタバレを含みます。
「好きになれる自分と一緒にいたいし、1人でも幸せになれると思うんだよね」とし、新たな恋人候補・小鳥遊(オダギリジョーさん)と別れを決意したとわ子。最終回では、元夫たちとの関係は相変わらずで、穏やかな日常を過ごしている。
最終回終盤、とわ子の自宅に元夫たちが夜遅くに訪ねてくる。すでに疲労困憊のとわ子は、「帰って」と強く言うが、元夫たちはいつものことと言わんばかりに夜食を作り始め、ワインの栓を抜く。ハワイ帰りの慎森が土産に持ってきた揃いの英字新聞プリントシャツを着てはしゃいだり、元夫たちをピンに見立てたボウリングゲームが始まったりと、穏やかな時間が流れつつも、ついに眠気に負けてしまったとわ子。その寝顔を眺めながら、元夫たちは「まぁ、こんな感じでずっと続くわけじゃないでしょうし」とその刹那を語り合い、とわ子が目を覚ますと「あ、起きた」と微笑む。
「こんなにロス感じるドラマ初めて つらい!」
「なんの話をしてたの?」と問うとわ子に対し、八作は「僕たちはみんな君のことが好きだってこと。大豆田とわ子は最高だってことだよ」と返事。これにとわ子は「私の好きは、その人が笑っててくれること。笑っててくれたら、後はなんでもいい! そんな感じ」と彼女らしい愛を伝え、最後のシーンでは元夫たちとの4ショットでとわ子が「大豆田とわ子と三人の元夫。ありがとう!」とカメラ目線で言う、という幕切れとなった。
大人が「1人」で生きていく寂しさと楽しさを描いた作品。人生の一部を切り取ったような何てことない日常は、淡々とした展開のなかでその尊さがより強調される。あくまで視聴者の感情を規定せず、観た人によってさまざまな学びがあったであろう脚本・演出に対し、視聴者からはツイッターで、
「こんなにロス感じるドラマ初めて つらい!」
「久々に良質な連ドラ観たなー。 ホントに素敵なドラマだった こちらこそありがとう!」
「大豆田とわ子は最高の女だけど、3人の元夫もそれぞれ最高だったね」
「最高の離婚、カルテット、大豆田とわ子、どうやったらこんな物凄い話書けるんだ...坂元裕二...」
「とわ子さんと同じとこで笑って、泣いた1時間でした! 変わったようで、変わらない日常。 ロスになりそうだけど、明日も何だか頑張ろっ! て思える素敵な終わりでした」
などと反響を呼んでいる。