深読みするハンギョレ新聞、初報を出した聯合ニュースは...
報道を完全否定された側の韓国側は、どう反応したのか。当の聯合ニュースは6月14日午後、東京発で加藤氏の発言を伝えている。その中で、
「日本政府のスポークスマンである加藤長官が韓国外務省当局者の発言に正面から反論することで、今回のG7サミットで日韓会談が開かれなかった問題では、両国間の真実をめぐる攻防が予想される」
などと論評している。
一方で、
「加藤官房長官の発言を注意深く見てみると、韓国側の主張通り、事前に日韓首脳会談の日程が決まっていた可能性も排除することはできないようだ」
とみるのが、左派のハンギョレ新聞だ。
加藤氏が、会談が実現しなかった理由を「スケジュールなどの都合」だと説明し、「ごく短時間、両首脳の間で簡単なあいさつが交わされた」と話したことを根拠に、
「加藤長官の説明通りなら、事前に日韓首脳会談が予定されたが、日程のため実現していないと解釈することもできる」
などと推測している。ハンギョレ新聞の説明では分かりにくいが、事前に会談はセットされたが結局は時間が取れずに「簡単なあいさつ」にとどまった、という趣旨のようだ。
文氏はG7サミット閉幕後の6月14日未明、日韓首脳会談が実現しなかったことについて、フェイスブックに
「菅首相との初対面は、韓日関係で新たなスタートになりうる貴重な時間でしたが、会談につながらなかったことを残念に思う」
と書いている。ただ、会談が実現しなかった経緯については触れていない。
なお、韓国外務省の崔泳杉(チェ・ヨンサム)報道官は6月15日の記者会見で、
「匿名の当局者を引用してメディアが報道した内容について、具体的で細かい内容を公に言及することは、この場では控える」
とした上で、首脳会談が行われなかった原因は日本側にあるとして、暗に日本側を非難した。
「これまで韓国政府は、日韓首脳間の対面について開かれた姿勢で取り組んできた。しかし、結果的に、今回のG7サミット期間中、現地では日韓間の会合が行われなかった」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)