「皆が弱者なのだから皆で支え合うしかない」 枝野幸男・立憲民主党代表に聞く「日本の現実」【J-CAST単独インタビュー】

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海兵隊の移転先交渉は「バイデン政権の間にやりたい」

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支持者が集まる「立憲フェス」では、枝野幸男代表とのタウンミーティングも行われた(2020年2月撮影)

―― このまま進めても辺野古は完成しなさそうなので普天間の危険性は除去できない...。そうなると、どういった進め方をすべきでしょうか。例えば普天間の機能を嘉手納基地(嘉手納町など)で引き受けたり、海兵隊をグアムに移転させたり、様々な考え方があります。

枝野: それはね、日本が先に言っちゃいけないんですよ。米国に言ってもらった方がいいですよ。だって米国は、別に辺野古を作ることが目的じゃないはずなんだから。普天間にある海兵隊の規模を維持することが米国の目的なんだから。そうでしょ。辺野古にこだわっているのは日本政府。私は、普天間の海兵隊の機能を米軍が維持することには全く同意なんです。例えば「じゃあ、こっち(辺野古)は10年経っても20年経ってもできないかもしれない。かといって、こんな住宅地(普天間)にあるのは皆さんだって心配でしょう?他の選択肢ないの?」と、こっちが結論を先に出すんじゃなくて、そういう交渉をしない限りは米国とのコンセンサスを得られないですよ。

―― 海兵隊の機能をどこに移転させるかは、日米双方が汗をかいて知恵を出し合おう、と。

枝野: そういうことです。「具体的なところはそっちが考えてくれ」「わかった、じゃどういう条件が整えばいいのか」「その状況は本当に必要なの?海兵隊の機能を維持するために」ということをちゃんと詰めた議論を日米間でやらないといけません。そもそも辺野古に決めたのだって20年も前の話で、海兵隊の役割自体が20年前と違っているので、そこからやり直しです。だからすぐには結論は出ません。出せないと思います。1年や2年じゃ結論出ません。ただし、バイデン政権の間にやりたいですね。予見可能性がないトランプ政権ではできなかった。(海兵隊を)引き上げるって言いかねませんから、トランプ政権は。

―― 「最低でも県外」とか「腹案がある」とか言ってはいけなくて、地道にやる、ということですね。

枝野: 何よりも、期限を切ってはいけません。相手があることですから。相手(米国)とも合意の上で進めなくてはいけないことです。

―― 7年間にわたる執筆期間では、特に野党の離合集散は大きいものがありました。著書の内容や考え方がアップデートされた部分はありましたか。考え方が変わったり、むしろ確信を深めたり...。

枝野: 書いている中身、つまりコアの部分は、最初から何も変わっていません。ただ、実際コロナ禍が本格化してきて「言ってきた通りだよね、残念ながら」ということになったので、コロナに関連した部分が増えています。さらに、最終局面で(版元の)文春の編集の人との相談の中で、こういう(著書で訴えたような)考え方になったプロセスや、総理になる決意みたいな話についてエピソードを加えた方がいい、と言われて加えたところもあります。普遍主義とか保守とリベラルの話、「情けは人のためならず」については、ずっと変わっていませんね。本を読んだ古くからの知人たちや、17年の立憲民主党を立ち上げからの人たち、当時からの支援者の人たちは一様に「変わらないね」と言いますし、地元の支持者の人たちは、「もう15年20年も同じこと言ってるよね」と言っています。その意味では、ブレない信頼感は、この本でますます高まりました。
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