ラジコン人気、コロナ禍で復活? 巣ごもり需要でブーム過熱...タミヤに聞いたその背景

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   新型コロナウイルス感染拡大の影響による巣ごもり需要を追い風に、「ラジコン」の人気が高まりを見せている。

   縮小傾向にあったRCカー(ラジオコントロールカー=ラジコン)モデル市場が「復活」したきっかけとは? 最大手メーカーの1社、タミヤ(静岡市)に取材した。

  • RCカー市場、復調の機運(提供:タミヤ)
    RCカー市場、復調の機運(提供:タミヤ)
  • 2021年の静岡ホビーショー
    2021年の静岡ホビーショー
  • RCカー市場、復調の機運(提供:タミヤ)
  • 2021年の静岡ホビーショー

会長「生産が間に合わない」

   模型自動車を遠隔コントロールして遊ぶRCカーは大人から子供まで楽しめる。大人でも元中日ドラゴンズ投手の山本昌氏のような熱烈なプレイヤーもいるが、1980年代には一大ブームが起こったものの、以後プレイヤーの高齢化などにともない縮小傾向にあった。

   それが新型コロナの拡大以前に比べると需要が高まっていると株式会社タミヤ広報室の担当者は説明する。

「ステイホーム期間の長期化によりRCカーをはじめホビー製品全般の需要がコロナ以前よりも高まっています」

   人気を裏付ける要素の1つとして、同社のRC関連のSNSアカウントのフォロワーが大幅に増加していることを挙げた。

   ツイッター上でRCカー関係の情報を発信する「Tamiya RC Models(@TAMIYAGP_STAFF)」(2010年6月開設)アカウントのフォロワー数は過去1年間で約6000から1万2600に倍増、YouTubeのチャンネル登録者数も約7万から13万と大幅に増えた。

   会長の田宮俊作氏が「生産が間に合わず、世界的に商品が足りない」と語っていた(朝日新聞2020年12月27日配信記事より)ことを裏付けるように、確かな盛況ぶりがうかがえる。

イベント中止でもSNSで活気

   一方、コロナ禍によってRCカーの競技会イベントが中止を余儀なくされるケースも出ている。毎年5月に行われる業界最大級の展示会「静岡ホビーショー」は2020年は中止、2021年は一般客の受け入れを中止し流通関係者のみでの開催となった。

   しかし「自宅で過ごす時間が長くなったことにより、模型ホビー全般への注目度が高まるというプラスの影響もありました」(タミヤ広報)とのことで、SNS経由や口コミでRCカーに興味を持つユーザーが増えつつあるそうだ。

「(巣ごもり需要の高まりを受けて)YouTubeやTwitterを活用し、製品情報やRCカーの走行動画を発信、ユーザー参加型の企画を積極的に行うことで新規のお客様が増加、特にオフロードバギーモデルのRCカー『グラスホッパー』『ホーネット』『ネオマイティフロッグ』『ネオスコーチャー』らが好調で、80年代に人気の高かったRCの復刻モデルなども好調に売上を伸ばしています。作って、カスタムして、走らせて楽しむRCカーはSNSとの相性も良く、愛車の画像や走行動画を、InstagramやTwitter、YouTubeへアップすることでシェアが拡がり市場全体を活性化しています」

   SNSで作品を共有できることも追い風になっているようだ。

リアルの自動車メーカーとも協力

   1980年代にはブームを起こしたRCカーだが、その後市場は漸減傾向が続いていた。

「ユーザーの一番のボリュームゾーンである30~40代男性が、時間的にも経済的にも自分の趣味に費やせる余裕が無くなってしまったことが大きな要因で、また10~20代の若年層のユーザーを獲得出来ていなかったことも一因です」とタミヤの担当者は話すが、現在同社では往年のブームを知るミドル世代とその子供世代にRCカーを楽しんでもらおうとしている。
「80年代のブームを経験した父親世代を対象にRCホビーの再開を促す施策に注力しています。更に、やはり若年層のユーザー獲得を目指す自動車メーカー(トヨタ・マツダ・スバル・ニッサン・ホンダなど)とも協力しファミリー向けのRCカー企画をコンスタントに行っており、その成果として近年では家族でRCカーを楽しむケースが増加傾向にあります」

とも近年の状況を分析、親子で楽しめる趣味としての再ブレークを図っている。

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