大谷以外全滅?苦戦する日本人野手
ダルビッシュ有、前田健太ら日本人投手は米国で実績を積んで信頼を勝ち取っているが、野手は苦戦している。筒香だけでなく、西武で球界屈指の安打製造機として活躍したレッズ・秋山翔吾も左太もも裏痛で開幕から出遅れた影響で、外野のレギュラーをつかめていない。投打の「二刀流」で、17本塁打をマークしているエンゼルス・大谷翔平は別格だろう。
このような状況で、「メジャーに最も近い日本人野手」と評価が高い広島・鈴木誠也の市場価値にも影響が出そうだ。
19年に打率.335で首位打者を獲得するなど、16~20年に5年連続の打率3割、25本塁打以上とプロ野球史上4人目の記録を樹立。侍ジャパンの稲葉篤紀監督も東京五輪の4番候補に挙げるなど全幅の信頼を置く。今オフにもポスティングシステムによるメジャー挑戦を球団に志願する可能性がある。
メジャーのあるスカウトは鈴木をこう分析する。
「ボールへのコンタクト能力に優れた打者で外野の守備も強肩で十分に通用する。ただスタッツ(成績)を見ると、シーズンで30本塁打を超えた年が18年しかない。ホームランバッターではなく、中距離打者でメジャーでは15~20本塁打ぐらいではないか。
筒香が米国で良い結果を出せず、日本人野手の市場価値が落ちることもあり得る。獲得に慎重な球団も出てくるだろう。クォリティーの高さに定評がある日本人投手ほどは評価が高くないと考えた方がいいかもしれない」
低迷する広島で奮闘するが、来季はいばらの道を覚悟してメジャーに挑戦するか。その動向が注目される。(中町顕吾)