及川奈央「40歳の節目」で思うこと 「原点回帰」で挑戦したYouTubeの中身【J-CAST単独インタビュー】

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   「スーパーマリオブラザーズ3」という単語を見て、あなたはどんな感情が沸き上がるだろうか。もし、「懐かしい!」という感情が沸き上がるのであれば、あなたにピッタリのYouTubeチャンネルがあることをお教えしよう。タレントの及川奈央さんの「なおチャンネル」である。

   及川さんの動画では、上記の「マリオ3」に加えて「ミニ四駆」、さらには「駄菓子屋」「1000円ガチャ」といったテーマが扱われる。そう、一定の年齢以上の視聴者にとっては、懐かしくてたまらないコンテンツとなっているのだ。

   2021年4月に40歳を迎えた及川さんは、なぜこうした「レトロ」なテーマに注目したのか。同い年のJ-CASTニュース記者が、本人に直接聞いた。

(聞き手・構成/J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

  • インタビューに答える及川奈央さん
    インタビューに答える及川奈央さん
  • カメラに向かって手を振る及川奈央さん
    カメラに向かって手を振る及川奈央さん
  • インタビューに答える及川奈央さん
  • カメラに向かって手を振る及川奈央さん

及川さんをディスったのに、インタビューが実現した!

   「なおチャンネル」は、及川さん39歳の誕生日となる20年4月21日にスタート。21年6月10日現在、60本以上の動画をアップしていて、チャンネル登録者数は9万2000人を超える。

   今回のインタビューのきっかけ、それは、及川さんが21年4月9日に「なおチャンネル」で公開した「スーパーマリオブラザーズ3に挑戦 ワールド6前半戦!!」にある。

   この動画を含め、及川さんは「なおチャンネル」に「マリオ3」の動画を多数アップしているが、その中で及川さんがプレイするマリオは、ぎこちない動きで次々と「戦死」していくばかり。かつて「マリオ3」をやり込んだJ-CASTニュース記者(坂下)からすると、非常にもったいないプレイが続発していたのだ。

   マリオの動きが心許ないものであることは本人も自覚していたようで、「ワールド6前半戦!!」の動画中で及川さんは、J-CASTニュース編集部が3月8日に公開した「及川奈央はゲームがド下手? 『マリオ3』プレイ動画を見て気づいた、3つのモヤモヤポイント」に言及。「ネットニュースにもなったけど、ホント(マリオ3が)下手くそだと思います」と、自らのプレイを嘆いていたのだ。

   先述した通り、坂下は及川さんと同じ1981年度生まれ、つまり同学年。そんな「同級生」の不甲斐ないプレイを見ては、その度にいたたまれない気持ちになっていた。そんな中、及川さんが動画中で記事に反応してくださった以上は......インタビューを実施するしかないのである!!

――まず最初に......「マリオ3が下手だ!」というディスり記事に反応していただき恐縮です。そして、本日、インタビューを受けていただいて本当にありがとうございます。

及川:いえいえ、取り上げていただいてありがたい限りです。あと、J-CASTニュースの坂下さんにはこれまでに計3回、「なおチャンネル」の動画を記事化していただいていますね。ただ、その時も「内容がゆるい」「グダグダだ」といった論調だったような気が(笑)。

――そうなんです。重ね重ね恐縮です......さて、マリオ3は生配信で全クリを達成されたわけですが、今後、マリオ3について「無限1UPに挑戦」とか、「裏技」に挑戦する可能性はありますか?

及川:全く考えてなかったですね。でも、無限1UPっていったら......先程お聞きしましたが、私と同い年なんですよね。どこで出来るか覚えてらっしゃいます?

――はい。今年で40歳になります。で、無限1UPが出来る場所というと、有名どころではワールド1のステージ2ですね。土管から延々と出てくるクリボーを、しっぽマリオの滞空時間の長さを利用して踏み続け、得点を上げていって1UPが出来ます。

及川:あー、そうなんだー! じゃあ、もし、お声を頂いたらやるかもしれません。1―2で無限1UPですね! ところで、坂下さんはNintendo Swichでマリオ3はなさいましたか?世代なんですよね。

――そうなんです。「マリオ3」は1988年発売なので、及川さん同様、私も世代です。ただ、私はまだやってないんですよー。でも、及川さんのプレイを見て、『自分もやらねば!』と思いました。まずは、Nintendo Swichを買うところから始めたいと思います!

及川:是非やってみてください。本当に、頭ではどうすべきか思い出すんですけど、指が付いていかないんですよ! 恐らく、坂下さんも昔に比べたら下手くそになってると思いますよ(笑)!

「なおチャンネル」はなぜエモいのか?その理由を探る

   なおチャンネルで人気のコンテンツの1つが「ミニ四駆」。これまでに何度かブームを迎えているミニ四駆だが、第1波といえるブームが、先述している「マリオ3」が発売された1988年頃に発生していたのだ。

インタビューが進むにつれ、話題はミニ四駆の魅力についてのものにも......
インタビューが進むにつれ、話題はミニ四駆の魅力についてのものにも......

――及川さんと私が小学校に入学したのが88年の4月。そのためか、私は及川さんのミニ四駆動画にも反応してしまいました。それを考えると、やはり、小学校に入学したあたりの頃に流行っていたものって、年齢を重ねてから振り返ると、妙に「エモく」感じるような気がします。

及川:そうなんですよねー。私、小学校1年生の時に、漫画の「ダッシュ!四駆郎」を読んでたんですが、ミニ四駆の初代「エンペラー」(1988年発売)を、2歳下の弟と一緒に作ったんです。ただ、弟の方は2歳下ということが原因なのか、全然覚えてないんですよ。で、マリオ3も1988年発売だったんですよね。ということは、2つとも88年なんですね! でも、それは特集をやる上では全然意識してませんでした。意識してたのは、何か、やっぱり、コロナ禍なので、家でできる楽しいことを追求していたら、この2つを思い出したという感じです。

――そうなると、「なおチャンネル」って、私たち1981年度生まれの人間に対して凄く訴求力があるYouTubeチャンネルなのではないでしょうか。

及川:そうですね。「なおチャンネル」を見てくださってる方たちって、81年度生まれ、もしくはそれより5歳ぐらい上の方が多いようで、下の振れ幅はもう少し小さいと思ってます。

及川さんが小学校に入学した時、時代はまだ昭和だった

   とくにレトロなコンテンツを重視していたわけでなく、コロナ禍ということで、「家でできる楽しいことを追求していた」という及川さん。しかし、話が進むにつれ、これらを特集するに至った理由がもう1つあるのではないかという展開になった。

コロナ禍であるがゆえに、「家でできる楽しいことを追求していた」という及川さん
コロナ禍であるがゆえに、「家でできる楽しいことを追求していた」という及川さん
及川:子供の頃に流行ったものが気になるのって、40になったっていうのもあると思いません? そういうのを求めません?

――私もそう思います。私もここ1、2年、レトロなものへの引力を感じます。

及川:なんか落ち着きますよね。昭和な感じが。今はもう平成ですらなく令和なわけですけど、この感覚、昭和を求めているんですかね?

――考えてみると、及川さんと私って、小学校に入った1988年4月って、まだ昭和だったんですよね(平成は1989年1月8日から。同日午前0時に改元)。となると、やっぱり、1981年度生まれの人間にとっては、「マリオ3」と「ミニ四駆」は非常にエモく、それもまた、この2つを及川さんが特集したということになるのかもしれませんね。

及川:確かに! 原点に帰ろうとした結果、その2つを特集したのかもしれませんね! そう考えると、コロナ禍と40歳になったという2つの要因が、原点回帰したいという気持ちを刺激したのかもしれません。コロナ禍によって、色々考える時間が増えたのではないでしょうか。これまでの人生を立ち止まって考える時間が増えたように思います。

――社会人たる者、やはり、40歳になるまでは、みんな、全力で働いて、ここまで走ってきたわけですが、ただでさえ40になると、これまでの人生をふと振り返るようになるとは思うんですが、それに加えてコロナ禍で時間があると、ますます振り返ってしまうのかなという気がします。

及川:そんな気がしますねー。40っていうのはやっぱり大きな節目だなと思います。30になった時とはやはり違うなーと。ハードルが高い! でもまあ、20代と30代を駆け抜けたからこそ、今、こうしてこれまでの人生を振り返ることができるということなのかなーと思います。間違ってなかったんだなって。自分で自分を肯定したいっていう感覚ですかね。

年を取ることでイタくはなりたくない

   40歳を迎えるということは、「自分を客観視できるチャンスにあふれた年齢に到達した」という面はあるだろう。ただ、それは同時に「危険な一面」も伴っているかもしれない。

インタビュー終盤では、40歳になったがゆえの「身につまされる思い」をする機会についての話も飛び出した
インタビュー終盤では、40歳になったがゆえの「身につまされる思い」をする機会についての話も飛び出した
及川:ちょっと前の話なんですが、ネット配信のドラマの撮影を行ったんです。そこには出演者やスタッフさんたちが数十名いたんですが、その中で、自分より年上が1人だけ......プロデューサーさん、監督さん、メイクさん、衣裳さんが私より年下なんですよ。結構、ショックでした......なので、だんだん気を使われる存在になってしまうという危険性を感じるようになりました。

――そうなんですよね! 要は、20代、30代の時のように無自覚に振る舞ったとしても誰も注意してこなくなり、その結果、「イタい大人」になってしまうというやつですね。ちなみに、私、上司(編集長)が10歳年下です!

及川:ええーっ!(絶句のあと爆笑)

――だから、部下なのに気を使われる瞬間もあるので、「イタく」なり始めたら嫌だなーと思う今日この頃です。

及川:そう、「イタくなる」のだけは絶対に避けたい! でも、「なおチャンネル」では素の自分を出さなければならないので、そのバランスが難しいです。なので、このバランスを崩さないように、今後も抗っていきたいです。
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