及川さんが小学校に入学した時、時代はまだ昭和だった
とくにレトロなコンテンツを重視していたわけでなく、コロナ禍ということで、「家でできる楽しいことを追求していた」という及川さん。しかし、話が進むにつれ、これらを特集するに至った理由がもう1つあるのではないかという展開になった。
及川:子供の頃に流行ったものが気になるのって、40になったっていうのもあると思いません? そういうのを求めません?
――私もそう思います。私もここ1、2年、レトロなものへの引力を感じます。
及川:なんか落ち着きますよね。昭和な感じが。今はもう平成ですらなく令和なわけですけど、この感覚、昭和を求めているんですかね?
――考えてみると、及川さんと私って、小学校に入った1988年4月って、まだ昭和だったんですよね(平成は1989年1月8日から。同日午前0時に改元)。となると、やっぱり、1981年度生まれの人間にとっては、「マリオ3」と「ミニ四駆」は非常にエモく、それもまた、この2つを及川さんが特集したということになるのかもしれませんね。
及川:確かに! 原点に帰ろうとした結果、その2つを特集したのかもしれませんね! そう考えると、コロナ禍と40歳になったという2つの要因が、原点回帰したいという気持ちを刺激したのかもしれません。コロナ禍によって、色々考える時間が増えたのではないでしょうか。これまでの人生を立ち止まって考える時間が増えたように思います。
――社会人たる者、やはり、40歳になるまでは、みんな、全力で働いて、ここまで走ってきたわけですが、ただでさえ40になると、これまでの人生をふと振り返るようになるとは思うんですが、それに加えてコロナ禍で時間があると、ますます振り返ってしまうのかなという気がします。
及川:そんな気がしますねー。40っていうのはやっぱり大きな節目だなと思います。30になった時とはやはり違うなーと。ハードルが高い! でもまあ、20代と30代を駆け抜けたからこそ、今、こうしてこれまでの人生を振り返ることができるということなのかなーと思います。間違ってなかったんだなって。自分で自分を肯定したいっていう感覚ですかね。