海外の治験データだけで承認するのは「今回のワクチン承認にはそぐわない」
国内でも治験が行われた根拠のひとつが、この付帯決議だ。そこに至るまでは、国外での治験のみでワクチンを認可することに反対する野党からの声があった。
例えば20年11月10日の参院本会議では、医師の資格を持つ立憲民主党の中島克仁参院議員が、
「新規性の高いワクチンを国民に提供するに当たり、日本人における有効性、安全性を十分に確認しないまま、海外の臨床試験データのみをもって承認を行う特例承認は、今回のワクチン承認にはそぐわない」
などとして、国内でも治験を行うように求めた。
11月18日の衆院厚労委員会では、厚労省の鎌田光明・医薬・生活衛生局長が
「国内での検証試験データがなくとも、追加的な試験で人種差の検討も含めて有効性、安全性を確認することが可能」
などと説明。やはり医師の資格を持つ立憲・阿部知子衆院議員が
「そこが極めて怪しいところ。『国内でのしっかりした治験がなくても』と言ってしまえば、やはり人種差を見ていない。だって、なぜこのコロナはこんなに発生率、重症化も含めて、違うのか。そこを真面目に考えたことはあるのか」
として、国内の治験を省略する方針を非難した。
治験の問題では、菅氏は短く触れただけで、枝野氏に答弁を求めたわけでもなかった。そのこともあって、特に枝野氏は治験をめぐる論点には反応せず、東京五輪・パラリンピックの議論に移った。