集英社は2021年6月10日、「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気マンガ『呪術廻戦」をしばらく休載すると発表した。作者の芥見下々(あくたみげげ)さんの体調不良を理由としている。
読者や漫画家からは、「休んでくれてありがとう」「マジで英断」といった称賛の声が寄せられている。
「編集部側の提案に甘えさせていただくことになりました」
呪術廻戦は21日発売の「週刊少年ジャンプ29号」からしばらく休載することになった。週刊少年ジャンプ編集部は、「芥見先生は執筆の継続を望んでおりましたが、編集部との協議の結果、一定期間休んで体調の回復を図っていただいた方が良いと判断」したと発表している。再開時期は未定。決まり次第、ジャンプ誌面で伝えるとしている。
芥見さんもコメントを寄せ、編集部側からはかねてより休載の打診があったという。しかし芥見さんが「スピード感のない呪術廻戦に魅力を感じないこと、早く完結まで描いてしまいたいこと」などを理由に、回答を保留してきたとする。
まとまった休載の決断について、こう説明している。
「ただ、単発の休載では他の作家さんたちと比べて周回遅れのようなスケジュールを巻き返すことができず、このままでは同じことの繰り返しになってしまうので今回編集部側の提案に甘えさせていただくことになりました」
芥見さんは、休載期間は1か月ほどだとしている。また「体調を崩したといっても大病したわけではなく、メンタルは通常運転なのでご心配には及びません」とし、連載を待ち望んでいた読者に「お待たせして申し訳ないです」と謝罪した。「復帰からは新連載のつもりで頑張ります」と再開への強い意欲も示している。
ジャンプの「休むのは許されない雰囲気」緩和か
発表を受け、SNS上では安堵するような声が広がった。というのも、5月31日に公開された第150話に下書きとみられる原稿が掲載され、芥見さんのスケジュールや体調を心配する声が相次いでいたのだ。(詳報:「『呪術廻戦』下書きのまま掲載? 『倒れる前に休んで』ジャンプ最新話に心配広がる」)
芥見さんも今回の発表で「ついにやらかした下書き掲載」と言及しており、スケジュールが過酷であったことが伺える。
SNS上では、「しっかり休んでほしい」という声が後を絶たない。さらに、集英社は作家に休載を提案したことについて称賛の声が広がっている。
「編集部が休載させようと頑張ってる感じすごく伝わってとてもいい」
「芥見先生ゆっくり休んでください...!!コミックス発売は数巻先まで決まってるし、映画もあるし、全然待ちます。編集部が英断」
「UQ HOLDER !」の作者で、公益社団法人「日本漫画家協会」の常務理事も務める漫画家の赤松健さんもツイッターで以下のように書き込んでいる。
「ジャンプは、マガジンやサンデーのように水着グラビア表紙が無い分漫画家の仕事が多い。またマガジンはかなり昔から定期休載制があったが、ジャンプでは『休むのは許されない』みたいな雰囲気があって、今回のように編集部の方から『まとまった休載』を提案した、というのは素晴らしいことだ」
週刊少年ジャンプ29号(6月21日発売)より芥見先生の体調不良のため、『呪術廻戦』はしばらくの間休載させていただきます。
— 少年ジャンプ編集部 (@jump_henshubu) June 10, 2021
芥見先生からの直筆コメントも合わせてご覧いただけますと幸いです。
なお来週6月14日(月)発売の週刊少年ジャンプ28号では『呪術廻戦』は掲載されております。 pic.twitter.com/ntgiKuICFn
>RT
— 赤松 健 (@KenAkamatsu) June 10, 2021
ジャンプは、マガジンやサンデーのように水着グラビア表紙が無い分漫画家の仕事が多い。またマガジンはかなり昔から定期休載制があったが、ジャンプでは「休むのは許されない」みたいな雰囲気があって、今回のように編集部の方から「まとまった休載」を提案した、というのは素晴らしいことだ。