俳優・松重豊さん主演のドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)の新シーズンが2021年7月から放送されることが発表され、松重さんは「老けました。もう痛々しいから辞めろという声が聞こえてきたら、辞める覚悟は出来ています」と同局の発表でコメントした。
松重さんは過去のシリーズ新作発表時にも「飽きたら終わり」「どこへ向かえばいいんだろう」などとコメント。ドラマに対する「ネガティブ発言」を残すことが恒例行事となっている。
「痛々しいから辞めろという声が聞こえてきたら...」
「孤独のグルメ」は下戸で大食漢の雑貨商・井之頭五郎が、仕事で訪れた街の飲食店で食事する姿を描いた作品だ。原作は久住昌之さん、谷口ジローさん(作画)による同名の漫画。12年に松重さんを井之頭役に据えた同名の実写ドラマがテレビ東京でスタートし、現在まで8シーズンにわたり放送が続いている。
テレビ東京は21年6月7日、ドラマ「Season9」を7月から放送すると発表した。レギュラーシーズンとしては19年以来約2年ぶりの放送で、松重さんは「この1年以上、まともに外食していません。収録とはいえ、堂々と外で食べられるということに喜びました」と語った。また、コロナ禍での撮影となったことについて「『孤独のグルメ』は、飲食店の方々と共にあります。事態がひっ迫すれば最終回まで完食できません。皆様の感染対策に支えられています」と飲食店へ思いを寄せた。
その一方で「シリーズ開始から9年、井之頭五郎を演じる上での変化」を聞かれた松重さんは、次のように語っている。
「老けました。もう痛々しいから辞めろという声が聞こえてきたら、辞める覚悟は出来ています」
現在58歳の松重さん。まさかの「引き際」をうかがわせるような発言だったが、ツイッター上では「ゴロー役は松重さんしか浮かばない」「松重さんの体が続く限りはやってほしい!」と今後の続投を望む声が相次いだ。
「誰が観るの?」「マンネリもマンネリで」
実は松重さん、各シリーズの放送発表時に、番組に対する「ネガティブ」なコメントを残すことが恒例となっている。たとえば14年のシーズン4では「36回もやると店もネタも尽きました。以前の使いまわしをやるかもしれません」、翌15年のシーズン5では「このシリーズは、視聴者の方が飽きたら終わりです」と番組を自虐。17年のシーズン6発表記者会見では、次のようなことを語っていた。
「まず、最初にこの話をいただいた時に、『誰が観るの?』って。おっさんが淡々と飯を食ってるだけで、その後にちょこちょことモノローグを入れて、それをテレビの前の皆さんがどのように楽しむのかよくわからなかった。シーズン6をやっている今でも、まだわかっていない」
「この間『オワコン』という言葉を知りまして、この番組にピッタリだなと思って。当然、お客さんが終わってもいいと思っても仕方ないくらいマンネリもマンネリで。どこへ向かえばいいんだろうという気持ち」
その後、18年のシーズン7では「視聴率も頭打ちなので、この際閉店商法で『孤独のグルメ season final 究極の晩餐』にしたらと提案しましたが却下されました」、19年のシーズン8では「私の不祥事による降板など、予断を許さない状況です。ネットニュースよりも放送終了後のフライングテロップに御注目ください」と、まるでシリーズ終了を望むかのようなコメントを残していた。
ツイッター上の番組ファンもこうしたネガティブ発言を認識しているようで、今回のコメントに対しても「毎回松重さんのコメントが微妙にネガティブ含みなのが笑う」「またウィットに富んでいて素敵」などの声が寄せられた。