慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏の「世論は間違ってます」発言が波紋を広げている。
竹中氏は2021年6月6日放送の「そこまで言って委員会NP」(読売テレビ)に出演し、東京五輪開催について持論を展開。コロナ禍の五輪開催に向けて各所で議論がなされている状況に「オリンピックってやるか、やらないかという議論をなんであんなにするか私には分からない」との見解を示した。
竹中氏「オリンピックってのは、世界のイベント」
さらに竹中氏は、「オリンピックってのは、世界のイベントなんですよ。世界のイベントをたまたま日本でやることになっているわけで、日本の国内事情で、世界の『イベント(五輪)やめます』というのは、あってはいけないと思いますよ。世界に対して、『やる』と言った限りはやる責任があって」と述べた。
また、竹中氏は1920年に開催されたアントワープ五輪(ベルギー)を例に挙げ、「アントワープ五輪はまさにスペイン風邪の真っただ中でやっているわけですよ」と指摘した。
竹中氏の持論に対して落語家・立川志らくさんが「世論の6、7割が(五輪は)中止、延期だって言ってる。国民が間違ってるってこと?」と問いかけると、竹中氏は
「世論は間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違いますよ。世論はしょっちゅう間違いますから」
と返答した。
五輪開催への逆風が吹くなかでの竹中氏の「世論」発言。ツイッターでは竹中氏の発言に対して批判的な声が見られ、一部では感情的な声も上がっている。
この背景には政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長による発言が多少なりとも影響を及ぼしているとみられる。