ウマ娘で「迷走期」にトレーナーが出した答え
こうしたサイレンススズカの歩みを、「ウマ娘」ではゲーム育成システムの絡みもあって、史実通り完全な再現はできなかった。デビューは遅い時期であったためジュニア級の時期はレースをしていなかったわけだし、そもそも複雑で多くの競馬ファンが「迷走していた」といわれる時期を全て盛り込むことは厳しかっただろう。
それでもストーリー1話で模擬レースを勝った後、2話では8着と敗れた弥生賞をイメージしたであろう物語が展開される。初代のトレーナーは我慢しない逃げではなく抑えて駆けるようにとの指示を出し 、自由に走れないことで完敗してしまうというものだ。
その後トレーナーが交代し、実際ゲームをするプレイヤーはこの時点からサイレンススズカのトレーニングに関わるようになる設定。だから、育成シナリオでのデビュー戦が史実の3戦目で逃げて快勝した阪神芝2000mなのであろう。
史実の2戦目である弥生賞での内容がゲームでは違っているが、当時の競馬ファンがサイレンススズカに抱いた「一体何があったのか」と思える迷走からどうサイレンススズカの将来を考えるかに強いスポットが当たっていることは同じだ。
そう、答えは「スズカの好きなように先頭の景色を見せてあげること」だったのだから。