「ウマ娘」が描き切れなかった、競走馬サイレンススズカの濃密すぎる4年半

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自然に走らせてみた結果...

   厩舎関係者、上村騎手、ともにスズカの能力を出させてあげる答えが出たのが次戦となった神戸新聞杯だ。

   「好きなように駆けさせてあげよう」。簡単に聞こえるが、ペースや展開がある競馬においてその判断は容易ではなかったはずだ。上村騎手はこのレース、一切追っていないし止めにもいっていない。自然と逃げに行ったのである。

   だが4コーナーまで後続に3馬身の差をつけ快勝ムードが漂ったところ1頭だけ猛烈な追い込みをみせてきた馬がいた。その後菊花賞を勝つマチカネフクキタルである。直線に入って追ったのが遅すぎた結果となり、マチカネフクキタルに交わされて2着と敗れてしまったことで、上村騎手は主戦を外されてしまった。

   好きに逃げることで好走はできた。だが、史実のスズカはそう簡単にはいかなかった。

   サイレンススズカには左旋回癖があった。アニメでも悩むと左回りでぐるぐる回るし、ゲームでのローディング画面でもたまにスズカが左回りでフラフラしているシーンが描かれている。一見可愛らしいように見えるが、蹄鉄のすり減りや馬体のバランスにも影響するので現実の競馬ではあまり褒められた癖ではない。

   この癖を治そうと厩舎関係者は天井から畳を吊るして行動を制限させる試みをしたエピソードがあるのだが、それがむしろストレスになったとも言われ、まだスズカは圧倒的な強さを見せることができなかった。

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