日清食品は2021年6月4日、「カップヌードル」に付属する「フタ止めシール」を廃止し、シールがなくてもフタが止められる「Wタブ」を採用すると発表した。
ツイッターでは「画期的!」「手間が省ける」と好意的な受け止めが広がっている。一方で、意外にも目立ったのが、シールの存在や用途を「そもそも知らなかった」という声だ。
「無くなるのは寂しいけど...」
カップヌードルのフタ止めシールは1984年に導入。カップにお湯を入れた後、フタが開かないよう押さえるためのものだ。シールはカップヌードルの底に貼りついており、それをはがして使うことになる。
21年6月3日午前11時30分、カップヌードルの公式ツイッターはフタ止めシールの画像とともに「さようなら、全てのフタ止めシール。#西暦2021年6月4日11時発表」と投稿。突然の知らせに、ツイッター上では「嘘だと言ってくれ......」「シールなしで...これから一体どうやって止めればいいんだっ...!」とショックの声が広がった。
そして一夜明けた4日。日清食品はカップヌードルの「フタ止めシール」の廃止と、シールいらずでフタを止められる、開け口を2つに増やした新形状のフタ「Wタブ」を採用すると発表した。
シール廃止により、プラスチック原料の使用量を年間で33トン削減できるという。対象はレギュラーサイズのカップヌードルで、6月から順次、新形状のフタに切り替える。カップヌードルの発売50周年を機に実施するものだ。
カップヌードル公式ツイッターが4日に投稿した動画によれば、「Wタブ」を開けると、フタの裏側に猫のイラストが現れる仕掛けのようだ。ツイッター上では「画期的!」「手間が省ける」「(シールが)無くなるのは寂しいけど、猫かわいいな」「こっちのほうが便利でかわいい」と好意的な声が多く集まった。
「プラスチックフォークぶっ刺して...」
しかし、ツイッター上では次のような意見も聞かれている。
「フタ止めシールなんて知らなかった」
「ニュースで初めて知った」
なんと、シールの存在、またその用途を知らないままカップヌードルを食べていた、というのだ。こうした声は意外にも多く「ビニール剥がすための物だと思ってた」「ただの開け口の目印かと」と、カップヌードルを底から開けるためのもの、と認識する人もいた。
「フタ止めシール」なしに、人々はどんな方法でフタを止めていたのだろうか。一つは、箸などの食器をそのまま上に置くという方法だ。食器以外にも、リモコンや本などを重石に使用。中には「ガンプラ乗せて止めてた」という人もいた。
フォークをフタの上から突き刺し、カップのフチに挟むという方法もみられた。実はカップヌードル、かつてはプラ製フォークが付属していたこともあり「昔はプラスチックフォークぶっ刺して留めてた」と懐かしむ声もあった。また、割っていない割り箸をフチに挟む方法をとる人もいたようだ。
シール廃止と「Wタブ」採用のニュースが駆け巡り、オフィシャルな「フタの止め方」が広く知れ渡った。多様な「フタ止め文化」も、これを機になくなってしまうのだろうか。