「五輪、普通はない」尾身氏発言の波紋 野党は賛同も...政府は聞く耳持たず?

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「今の状況で(五輪を)やるというのは、普通はないわけですよ」

   政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が2021年6月2日の衆議院厚生労働委員会で口にした、東京五輪・パラリンピックをめぐる一連の発言が波紋を広げている。

  • 分科会の尾身茂会長
    分科会の尾身茂会長
  • 分科会の尾身茂会長

東京五輪は「何のためにやるのか」

   尾身会長の発言は、次のようなものだ。

「今の状況で(五輪を)やるというのは、普通はないわけですよね、このパンデミックで。そういう状況のなかで、やるということであれば、オーガナイザー(主催者)の責任として、開催の規模をできるだけ小さくして、管理の態勢をできるだけ強化するというのは、私はオリンピックを主催する人の義務だと」
「そもそも、今回のオリンピック、こういう状況のなかで、一体何のためにやるのか。目的ですよね。そういうことが、ちょっと明らかになってないので。このことを私はしっかりと明言することが、実は人々の協力を得られるかどうかという、非常に重要な観点だと思うので」

   こうした尾身氏の発言に野党からは賛同の声が上がっているが、当の政府の反応は通り一辺倒だ。報道によると、菅義偉首相は2日夜に首相官邸で記者団に対し、「感染対策をしっかり講じて安全・安心の大会にしたい」と述べたという。

   加藤勝信官房長官も3日午前の会見で、尾身会長の発言について、

「感染拡大防止に全力を尽くすとともに、取り組みについて丁寧に説明していくことが重要だと考えている。政府としても大会準備に向けて、しっかり取り組んでいきたい」

と話した。また、各紙の報道によれば、田村憲久厚生労働相は4日の閣議後会見で、尾身会長の発言を参考にするとしつつも、「自主的な研究の成果の発表だと受け止める」と発言したという。

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