「レヴュースタァライト」は舞台も魅力
そもそも「スタァライト」とはもとは学園で99期生が毎年学園祭「聖翔祭」で上演する戯曲のタイトルなのだが、少女たちの悲恋ものというあらすじと古代ギリシア風の装いが時折映し出されるにとどまり、具体的な演劇シーンは本作には少ない。それが「レヴュー」という名の少女たちのバトルにおいては「スタァライトしちゃいます!」のセリフで全く別の意味を持ち始める。
「かげきしょうじょ!!」が原作コミックで芝居の稽古シーンで人物の葛藤を描いてきたのとは異なり、全貌を明らかにしないことであえて視聴者の興味を惹こうとしているかのようだ。
映像表現もシュールで、突如現れてオーディションを宣言する「キリン」(何と声優は津田健次郎さん)が現れたり、少女たちの過去・現在・そしてレヴューシーンにおいて度々登場したりする東京タワーは一体何を意味しているのか、ファンが抱く謎は深まる。
そして本作の核心でもある「トップスタァ」になれば何が得られるのか、彼女たちが目指す高みとは何なのか、もはっきりとは明かされていない。謎めいた世界観の解釈は、観る人それぞれにゆだねられている。
「トップスタァ」「レヴュー」いずれも宝塚などの少女歌劇で馴染みの言葉だが、それらの文化をモチーフにしつつも独特の世界観でファンを惹きつけている。
アニメだけでなく舞台も見逃せないのが「レヴュースタァライト」で、アニメの声優キャストが舞台版にも一貫して出演している。こちらはミュージカル形式かつライブパートもあり、アニメ同様「レヴュー」のバトルでの殺陣もありと2.5次元舞台としての完成度も高い。メインキャストの9人が舞台版でも同じキャラクターを演じて経験値を積んできた。