「一部本来の演出意図と異なる捉え方を招く箇所がございました」
KABUKUの演出に疑問や批判は多く、「品性を疑います」「誰も止めなかったの?」といった声が相次いだ。一方で、「差別を誘発する意図は感じられない」「歌舞伎に道徳を求めたら野暮だわ」と擁護する向きもあり、賛否両論になっている。
指摘された演出について、制作を担当した松竹では、広報室が6月3日までに、「ツイッターなどに投稿された公演内容については、概ね、事実に反するものではないと認識しております」と認めた。
KABUKU は、6月4~13日まで京都市内の南座でも上演される予定だが、内容を一部変更することを明らかにした。
「該当する場面は、世界共通、時空も関係ない設定の地獄の果ての閻魔の庁。時代も国も異なる人々が地獄におちてまでも、自己中心的にそれぞれの主張を繰り広げ、他者を受け入れようとしないでお互いに争い続けることを描いています。異なる価値観を認め、多様性を尊重するという趣旨のことを風刺的に描こうとした演出意図でしたが、一部本来の演出意図と異なる捉え方を招く箇所がございましたので4日の南座公演初日に向けて、一部内容を変更して上演予定です」
そして、「南座公演に向けてより良い舞台づくりに努めてまいります。今後とも変わらぬご厚誼をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます」としている。