JR西「もうひとつ」のSL列車は
ところで、JR西日本にはSL列車がもう一つ存在する。
山口線(新山口~益田)を走る「SLやまぐち号」だ。2017年に旧型車両を模した新型客車を導入し、コロナ禍でも運行されている。また京阪神エリアから山口線の始発駅、新山口駅へは山陽新幹線の利用が便利。JR西日本からすると新幹線利用も見込めるおいしいSL列車といえる。
一方、「SL北びわこ号」は「SLやまぐち号」よりも運転日は少なく、京阪神エリアから始発の米原駅へは新快速で簡単にアクセスできる。
そうした背景を踏まえてみると、JR西日本はコロナ禍を機会に管内のSL列車を「SLやまぐち号」に絞って、資源を集中させたいのではないか――そんな意図があったとも考えられる。
(フリーライター 新田浩之)