「SL北びわこ号」コロナ禍で廃止、25年の歴史に幕 排煙で窓開けられず「換気が困難」

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   コロナ禍により、鉄道界は大きく変わろうとしている。北陸本線を走るSL列車「SL北びわこ号」の運行終了もその1つだ。

   1995(平成7)年に登場。関西では数少ないSL列車として人気を集めたが、25年の歴史に幕を閉じることとなった。

  • 「SL北びわこ号」で使われる12系客車 
    「SL北びわこ号」で使われる12系客車 
  • 「SL北びわこ号」で使われる12系客車 

廃止の原因は「12系客車」に

   JR西日本は5月21日、北陸本線米原~木ノ本駅間で多客時に運行される臨時列車「SL北びわこ号」の運行終了を発表した。

   「SL北びわこ号」で活躍した蒸気機関車は1995年から2018年までが「ポニー」の愛称で親しまれているC56形、2019年以降は「デゴイチ」ことD51形だ。いずれも京都鉄道博物館(京都市)にある梅小路運転区に所属している。

   同列車は新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年春季から運転を休止していたが、そのまま運行終了が決まった。5月28日現在、特にさよなら運転の発表はなく、このまま引退になりそうだ。

   発表によると、「SL北びわこ号」廃止の原因は車両にあるという。具体的には、煤煙の影響で換気が困難であるため感染防止対策が十分に行える見込みが立たないこと、部品の入手などに苦慮していることを挙げている。

   「SL北びわこ号」で使用される車両は1969(昭和44)年から製造された12系客車である。同車は1970(昭和45)年に開催された大阪万博に合わせてデビュー。波動用の客車列車として全国各地で働いた。

   使用されている12系客車はほぼ登場時のままで、全国的にも貴重な存在だ。車内は4人向かい合わせの直角ボックスシートで、窓を開けながらの鉄道旅行は味があった。

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