今後はワクチン接種記録も
ANAは今回の「IATAトラベルパス」とは別に、21年3月には、世界経済フォーラム(WEF)と連携して活動している非営利組織「コモンズ・プロジェクト」が開発するアプリ「コモンパス」を使った同様の実証実験を行っている。2つのアプリの機能に大きな違いはなく、今後はワクチンの接種履歴を記録できるようにする点でも共通している。ただ、「IATAトラベルパス」は航空業界に特化しているのに対して、「コモンパス」は、美術館や博物館での利用も想定しており、利用範囲が広い。ANAの松下正・国際提携部部長は
「いずれはまた、国際線も本格的に人の流れが回復してくる局面を迎える。その時に、しっかりとお客さまが安心感を持って飛行機をご利用いただける(ことが重要)」
「弊社は両方に対応して、準備を進めていきたい」
などと話した。実用化のめどは未定。国外と多くの往来が想定される東京五輪・パラリンピックに間に合うかについても、
「できるだけそういう思いでやってきているが、今から政府機関との調整もあるので、実用化できるかどうかは、今のところ未定」
と述べるにとどめた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)