ダイワスカーレットとの幻の対決も
さらに秋華賞後にはダイワスカーレットから「エリザベス女王杯走るから『都合がつくなら』そこにも来なさい」と誘われるのだが、前述の通り史実では当日ウオッカが跛行のため出走取消となってしまう。
これが実現していれば対決は6度になっていたはずだった。そして、ウマ娘の育成で実際に走ることのなかったクラシック級時点でのエリザベス女王杯を走らせると......ここは皆さんの目で確認していただきたい。
そしてウマ娘でのウオッカのエンディング、最後に世界へ挑戦のため旅立つのだが、この挑戦はドバイ遠征の意味もあるが、その後繁殖牝馬として現地から産駒を日本で走らせることになった史実も知ると、エンディングストーリーの「終わりなき挑戦」の意味がより深くなるところだろう。
最後に、ウオッカの馬主であった谷水雄三氏は現在、牧場事業から撤退してしまっている。体力の低下により、オーナーブリーダーとしての活動が長期的に難しいと判断してのものだという。だが、ウオッカが残した、異国の牡馬の血も受け継ぐ産駒たちによって、まだまだストーリーは現在も終わってはいない。多くの競馬ファンならびにウマ娘ファンを楽しませてくれる歴史を残してくれたことに感謝したいと思う。
(公営競技ライター:佐藤永記)