「終生のライバル」ダイワスカーレット
だが、明けて2007年、3歳のウオッカにライバルが現れる。終生のライバル、ダイワスカーレットだ。
両雄の初対決は桜花賞の前哨戦であるG3チューリップ賞。ウオッカが1番人気、ダイワスカーレットが2番人気で迎えたレースはウオッカが5番手から最速上がりで差し切り勝利する。ダイワスカーレットはクビ差で2着に敗れたが、3着とは6馬身の差がついた。2頭でマッチレースを繰り広げていたのである。
続く桜花賞、今度は3番手からの先行策で走るダイワスカーレットに対し、ウオッカは7番手からの差し勝負。結果はダイワスカーレットが優勝し、ウオッカは2着であったが、このレースも3着とは3馬身1/2。なにより上がり600mのタイムがダイワスカーレットもウオッカも一緒の33.6だったのである。2頭のマッチレースでどちらもスピードでは負けておらず、着差は位置取りの差のみであった。
もはや2007年の牝馬クラシックはこの2頭によるマッチレースの様相を呈していたのだが、ここでウオッカのダービー挑戦が正式に発表されるのである。
ウオッカがダービーを目指していることは桜花賞前から語られてはいたものの、桜花賞で2着と敗れたことでやはりオークスに目標を変えるかと思われたが、最終的には角居勝彦調教師が決断したと言われている。