枝野幸男氏「菅首相はワクチン頼み」発言が拡散 実際は何を語ったのか?ラジオを詳しく振り返る

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   立憲民主党の枝野幸男代表(56)がツイッターで、自身が出演したラジオ番組での発言を取り上げた一部報道を受け、発言の背景を説明している。

   ツイッター上では「菅首相はワクチン頼み」という枝野氏の発言がひと際注目された。一方で、枝野氏自身はツイッターで「ワクチン接種の重要性を前提に述べた上での発言」だと説明。では実際のところ、ラジオではどのような発言をしていたのか。

  • 枝野幸男氏・2020年3月撮影
    枝野幸男氏・2020年3月撮影
  • 枝野幸男氏・2020年3月撮影

「お金をかけないとだめなんですよ」

   枝野氏はツイッターで2021年5月26日、「見出しが一部に誤解を与えていますが、本文中にもあるように、ワクチン接種の重要性を前提に述べた上での発言で、番組では『ワクチンどんどんやることはものすごく大切なこと』と言っています」と投稿した。同日のラジオ日本「岩瀬恵子のスマートNEWS」での発言を取り上げた日本経済新聞の同日付記事「立民・枝野氏『首相はワクチン頼み』 コロナ対策批判」をシェアしている。

   枝野氏は同番組に、前後半で合計約30分間ゲスト出演した。実際にはどのような発言があったのか追ってみる。

   冒頭では、3度目の緊急事態宣言が発令される中、枝野氏は「2回目を早く解除しすぎたんですよ」としてこう話している。

「早く解除すればすぐリバウンドすると、専門家の話を聞かなくても素人でも分かる。たくさん感染者がまだいるということは、症状が出ていない人たちもそれだけ潜在的にたくさんいる。その人たちが活発に動き出した瞬間に広がるのは当たり前のこと。今とにかく東京で1日悪くても(新規感染者数を)100人、できれば50人くらいの水準まで下げないと、すぐにリバウンドする。そこまでは我慢しないと。そこから先ちゃんとやれば、リバウンドは抑え込んで4度目(の緊急事態宣言)はなしで済むと思います」

   岩瀬アナは、緊急事態宣言が6月20日までの延長で調整されているという報道を紹介。枝野氏は、宣言解除の見通しについて次のように指摘した。

「そこでどこまで減っているかですけど、たぶん100人を切るのは難しいと思います。するとまたすぐにリバウンドですよ。1か月半くらいでまた医療ひっ迫で大変だ、みたいな話に残念ながらなってしまいます。むしろ変異株は感染力が強いと言われているからもっと早いかもしれない。だからとにかく徹底して抑え込んでからでないと(緊急事態宣言を解除しては)ダメだし、そこを我慢してくださいというには、お金をかけないとだめなんですよ」

   「ワクチン頼み」の発言が出たのはこの後。フリーアナウンサーの岩瀬恵子さん(57)が、緊急事態宣言が続く中での「自粛疲れ」に言及した時だ。枝野氏は飲食店や各種施設の営業方法に触れながら、こう話している。

「ちゃんとワクチン頼みじゃなくても抑えられるところに舵を切らなきゃダメですね」

「普通の人にとってもそうだし、商売関係の人たちにとっては無理ですから。ちゃんとお金を配るとか、もうちょっとメリハリつけたほうがよくて、たとえば今、美術館とかもダメになってるみたいですよね。よく分からないんですよ。確かに飲食とか、特にお酒を飲んでワイワイ騒いだらリスクが高いだろうというのは間違いないですけど、じゃあ表で飲むという話になっちゃったし、時短の時は(午後)8時までだから7時台にお客さんが集まったりとか。もう1年以上やっているんだから、人の行動パターンを読んで、いろんなものを我慢していただくにしても、感染対策がどうしても不可欠な部分がどこか、一定のリスクはあっても、ここならリスクは低いから許容しようとか、メリハリつけないと。

なぜか菅さんはワクチン頼みですけど、ワクチン打ったら罹らないのかとか、感染の広がりが抑えられるのかとか、まだわからないです。最近の変異株を見ていると、強い良いワクチンを作ってもそれに打ち勝つ強い変異が起きるというのが残念ながらこういったものの体質、本質だから、わからないですから。ちゃんとワクチン頼みじゃなくても抑えられるところに舵を切らなきゃダメですね」

   その後、話は緊急事態宣言や自粛をめぐる昨年からの話になったが、再び岩瀬アナがワクチン接種の開始に触れる形で「菅総理が賭けているワクチン接種ですけども、大規模接種会場は混乱なくスムーズにいったようですね」と話を振った。

   それに対して枝野氏は、自治体での接種が進む中、国が大規模接種に乗り出すことで、「自治体との予約の混乱が出てくるのではないか」という点や、打ち手不足を指摘。「大規模接種でやろうがどうしようが、自衛隊の医療関係者の皆さんにご協力いただく仕組みを作ったことに意味があるので、大規模かどうかは実はあまり関係ない」と評価もしたが、接種完了時期について次のように見解を述べた。

「問題は医療従事者が足りないという状況が根本的には変わってなくて、そうすると高齢者だけでも7月末は多分無理だと思います。そのあと現役世代に入っていって、とても年内に打ち切れる状況ではないですよね。一方で打ったワクチンがどれくらい効果ある、何ヶ月効果あるのかはまだわからないわけですよ。ちなみにインフルエンザ(ワクチン)が半年くらい。どうやら(新型コロナウイルスワクチンは)半年後にも抗体はあるらしい、ってところまではエビデンスがあるらしいんですが」

   岩瀬アナに「だから1年中打ってなきゃいけないってことですもんね」と尋ねられると、枝野氏はこう答えている。

「また1年後に同じオペレーション繰り返すのかもしれません。これは分からないわけですね、また変異が(あるかもしれない)。だからワクチン頼みは危ないです。もちろんワクチンをどんどんやることはものすごく大事なこと、それでだいぶリスクは下げられるけども、一本足打法じゃ危ないです」

   この後、自衛隊の活用方法、官邸主導の重要性などに話題は移った。

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