「令和の怪物」佐々木朗希投手(19)のウイニングボールに寄せた思いがファンの感動を呼んでいる。
プロ野球のロッテは2021年5月27日、甲子園球場で阪神と対戦し6-4で勝利した。佐々木が今季2度目の先発のマウンドに上がり、5回を投げて7安打4失点(自責3)。チームは2点ビハインドの6回に3点を奪い逆転に成功し、佐々木にプロ初勝利がついた。
ウイニングボールは「両親に渡したい」
試合後のヒーローインタビュー。佐々木はプロ初勝利の率直な気持ちを問われると「うれしいです」と、少し照れるように笑みを見せた。
高校時代は届かなかった甲子園のマウンドで、強力阪神打線を相手に5回を投げ抜いた。佐々木は「初めての甲子園だったので、甲子園の雰囲気を感じながら一生懸命投げたいなと思いました」と聖地への思いを語り、「楽しかったです」と振り返った。
そして記念すべきウイニングボールをどうするかと問われると「両親に渡したいと思います」と即答し、「次もっといいピッチングできるように頑張ります。応援よろしくお願いします」と締めくくった。
試合後、ロッテの球団公式ツイッターで佐々木のプロ初勝利のコメントが投稿され、佐々木の母のコメントも同時に紹介された。
佐々木の母「嬉しくて号泣しました」
球団公式ツイッターの投稿によると、佐々木の母は「ヒーローインタビューでウィニングボールを私にではなく『両親にプレゼントします』と言ってくれたのが嬉しくて号泣しました」と語ったという。
佐々木は2011年の東日本大震災の津波で父を亡くしている。この日の勝利は、母と亡き父に贈る特別なものだった。佐々木の母は、息子が発した「両親」の思いを感じ取り涙が止まらなかったようだ。
ウイニングボールに込めた佐々木の思いと、母の号泣がファンの間で感動を呼び、球団公式ツイッターには「この孝行息子」「私も涙が止まりません」「素敵な息子さんですね」「最高の恩返し」などのコメントが寄せられた。