東京五輪のオフィシャルパートナーである朝日新聞は2021年5月26日付けの社説で、五輪中止の決断を菅義偉首相に求めた。
日本の主要紙が首相に五輪中止を求めたことは大きなインパクトがあり、これを受けロイター通信、AP通信などの海外メディアは同日、朝日新聞が社説で主張した内容を速報で報じた。
産経「今この時点で中止に同調するつもりはない」
英国高級紙「ガーディアン」は、「朝日新聞が日本大会を中止すべきと主張している」と題して報じた。
「ガーディアン」の記事では「朝日新聞は、東京2020の公式スポンサーになっている日本の報道機関の中で、開幕まで2か月を切った時点で大会中止を呼び掛けた最初の団体です」と説明している。
産経新聞は27日付けのコラム「産経抄」で朝日新聞の社説について言及。今この時点で中止に同調するつもりはないとし、「朝日の言い様は、五輪に関わる全ての人たちへの冒瀆(ぼうとく)ではないか」との見解を示した。「選手の輝く姿から元気をもらいたい。たとえ少数意見であってもあくまで『小さな声で』、五輪とパラリンピックを擁護する」と結んでいる。
読売新聞の27日付けの社説「東京五輪 開催へ感染防止策を徹底せよ」では、政府は感染対策の現状と課題を国民に丁寧に説明すべきだと説き、「この1年間、各種大型施設やイベント会場などでは様々な感染対策を講じてきた。これらの蓄積された知見を、大会での対策徹底に生かしてもらいたい」と要請した。