国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長に対する、丸川珠代五輪相のコメントが注目を集めている。
コーツ氏は2021年5月21日の合同会議後の会見で、緊急事態宣言下においても五輪を開催する意向を示し、国内で大きな波紋を広げていた。
丸川五輪相「日本国民の懸念、関心を伝えていきたい」
丸川五輪相は25日、閣議後の定例会見で、コーツ氏が示した意向に記者の質問に答える形で言及。「多くの国民の皆さんがこの発言を聞いて反発を覚えたのは自然なこと」とし、
「日本国のことは日本国民が決めると、多くの国民の皆様が思っていると思う。そのことについては、その感情については、私もむべなるかなという思いです」
と述べた。
また丸川五輪相は、コーツ氏やIOCに対して政府として懸念を伝えないのか、と問われると「前回の5者協議でも、医療体制確保に対する国民の懸念は伝えてある。引き続き機会をとらえて、日本国民の懸念、関心をしっかりと伝えていきたい」と自身の考えを明かした。
国民の代表として東京五輪・パラリンピックに関わる丸川五輪相の「反発は自然」発言。会見の模様を伝えたニュース記事のコメント欄では「まるで他人事」「不適切な発言には抗議すべき」「第三者の様な発言」などの声が上がった。
前回は「絆」発言が世間の注目集める
丸川五輪相は5月11日に行われた閣議後の定例会見での発言でも世間の注目を集めた。五輪開催の意義について問われ丸川五輪相は「コロナ禍で分断された人々の間に絆を取り戻す大きな意義がある」と述べ、「絆」発言が話題となった。
「絆」発言はSNS上でも話題となり、「絆を取り戻す」がツイッターのトレンド上位に登場。SNSには様々なコメントが寄せられたが、抽象的で理解しづらいとのコメントも見られ、丸川五輪相が主張した五輪開催の「意義」はあまり響かなかったようだ。
また、五輪開催へ逆風が吹くなか、IOCトップのトーマス・バッハ会長は改めて大会の「安全安心」を強調。スポーツ紙など報道によると、バッハ会長は25日にオンラインで開かれた国際競技連盟(IF)フォーラムに登場し、「開幕まで59日となり、大会まで最終ラップに入った」と述べた。