東京五輪開幕が迫っている。五輪開幕まで2カ月となった5月23日、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が自身のツイッターを更新し、五輪開催を懸念するコメントを投稿した。
孫氏「誰が何の権利で強行するのだろうか」
孫氏は自身のツイッターで「違約金が莫大だという話はあるけど、しかし、ワクチン遅れの日本に世界200ヶ国からオリンピック選手と関係者10万人が来日して変異株が蔓延し、失われる命や、緊急事態宣言した場合の補助金、GDPの下落、国民の我慢を考えるともっと大きな物を失うと思う」との見解を明かした。
孫氏は22日にも自身のツイッターに東京五輪に関するコメントを投稿しており、「今、国民の8割以上が延期か中止を希望しているオリンピック。誰が何の権利で強行するのだろうか」と疑問を投げかけた。
五輪開催に関する孫氏の懸念に対して実業家の堀江貴文氏は24日、自身のツイッターを更新し、「ワクチン接種義務づけりゃ良いだけの話」と投稿した。
堀江氏は23日にも東京五輪に関するコメントを投稿。新型コロナウイルスのワクチン接種に戸惑いの声を上げる五輪選手について「ほんと文句ばっかやな。打たないとオリンピック出来ないくらいに厳しくやりゃいいのにね」と持論を展開した。
三木谷氏、五輪開催は「リスクが大きすぎる」
五輪開催に批判的な発言をして大きな反響を呼んだのは楽天の三木谷浩史会長兼社長だ。三木谷氏は5月14日放送の米CNNテレビのインタビューで、東京五輪開催に関して言及しリスクの大きさを強調した。
三木谷氏はインタビューのなかで、コロナ禍での東京五輪開催は「自殺行為」と指摘し、「世界中から人が集まる国際的なイベントを開催するのは危険だ。リスクが大きすぎる」と述べ、今年の五輪開催に否定的な姿勢を見せた。
五輪開開幕まであと2カ月。五輪開催に向けて解決すべき問題が山積するなか、国内の著名な経営者から相次ぐ懸念の声。その一方で、スポーツ紙などの報道によると、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長は、日本国内で緊急事態宣言が出されている状況下においても五輪を開催する意向を示している。