着けたまま演奏できる「管楽器用マスク」その効果は? 島村楽器が今、飛沫防止の検証実験した理由

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「マスクの効果についての問い合わせを複数頂いておりました」

   製品自体はすでに発売されて半年以上が経っている。このタイミングで効果を検証した理由について、前出の担当者は次のように話す。

「本製品をリリースした時より、マスクの効果についての問い合わせを複数頂いておりましたので、コロナウイルスの流行状況や、部活動を始めとした演奏活動の状況を見つつ、検証のタイミングを検討しておりました。今回の検証動画では、マスク有無での飛沫の動きを可視化できたことで、ご購入前のお客様であってもマスクの安全性についてよりご納得いただいた上で、お買い求めいただけるきっかけになると考えております」

   また今回の検証結果公開に際して「複数の異なる見解を公表してお客様を混乱させることのないように、同業他社ともコンセンサスを取りつつ検証を実施」したという。

   担当者は、同社マスクの利用想定シーンについて「日々の練習時における使用がメインになるかと思います」と答えた。練習や打ち合わせでマスクの着脱をする手間をなくすことでストレスが軽減できるのではないかという。

   開発する上で苦労したことは、「音質や演奏性(演奏のしやすさ)に影響しない設計にすること」「メガネがくもりにくいようにすること」「外出自粛/営業自粛の最中での商品開発(2020年3月以降~)」の3点をあげた。特に1点目は開発にあたって、実際に島村楽器でサックスレッスンを担当するスタッフが試着・試奏を重ね、演奏に影響が出ないようにしたという。

   すでに利用した購入者からは、「演奏にほぼ(マスクを着用して吹くことの)違和感がない」「マスクをしたままストロー付きの飲み物を飲めた」など好評を得ているようだ。

   一方、金管楽器の場合はマスクにマウスピースをひっかけて落下させてしまうのではないかという心配もある。その点について、

「現時点でそのような声は聞いておりません。普通に脱着する分には、マウスピースが外れてしまうほどの力は掛かりませんが、マウスピースの形状等、メーカーによって若干の違いはありますので、引っ掛かりを感じる際は、ご注意頂ければと思います」

とのことだった。

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