2021年4月3日に77歳で亡くなった俳優の田村正和さん。田村さんの代表作の一つが、94年〜06年にかけて放送された刑事ドラマ「古畑任三郎」(フジテレビ系)だ。
ドラマでは田村さんの演技もさることながら、犯人役で登場する豪華なゲスト陣も注目を集めた。そこで、J-CASTニュースは読者アンケートを実施。古畑と相対した「犯人役」の中で、最も印象に残っている人物を聞いた。
毎回「主役級」が勢ぞろい
ドラマでは田村さん演じる警部補・古畑任三郎が独特な話術と高い推理力で、完全犯罪を目論む犯人を追い詰めていく。96年放送の第2シーズン以降は平均視聴率が20%を超えるなど、高い人気を集めた。脚本は三谷幸喜さんが手がけた。
ドラマ最大の特徴は、犯人役に起用されたゲストの豪華さだ。本来ならドラマの主役を張っていてもおかしくない人気俳優やお笑い芸人、アスリートなど、その道の「スター」が相次いで出演。古畑の推理にどう抗い、そしてどう敗れていくのか。毎回、熱い視線が注がれた。
J-CASTニュースでは今回、投票作成サービス「トイダス」を用いて、サイト内で読者アンケートを実施。レギュラー放送、スペシャル放送、そして06年放送「ファイナル」計41回の中で、もっとも印象に残っている「犯人役」を聞いた。
投票は21年5月19日に開始し、21日17時時点で集まった1354件を集計。ここでは上位5組にランクインした「犯人役」を発表する。
しゃべりすぎた「あの男」も
5位にランクインしたのは、お笑い芸人の明石家さんまさん(98票)。96年1月10日放送の2ndシーズン初回「しゃべりすぎた男」で、おしゃべりな敏腕弁護士・小清水潔を演じた。恋人を殺害した小清水はアリバイ工作を行い、容疑が古畑の部下・今泉巡査(西村まさ彦)に向くよう偽装。法廷での古畑との論戦は、ドラマ屈指の名シーンとして知られる。
4位に入ったのは、歌手・女優の中森明菜さん(104票)。94年4月13日放送の1stシーズン初回「死者からの伝言」で、交際していた編集者を殺害した少女コミック作家・小石川ちなみを演じた。古畑シリーズの記念すべき初回放送だったが、当時の視聴率は14.4%と振るわず。それでも、大人の色気と憂いを感じさせる中森さんの姿が記憶に焼き付いていた人は多かったのかもしれない。
3位は歌手・俳優の木村拓哉さん(108票)。96年1月31日放送の2ndシーズン「赤か、青か」で、大学工学部に研究助手として勤める爆弾犯・林功夫を演じた。木村さんといえば、一世を風靡した恋愛ドラマ『ロング・バケーション』(フジテレビ系、96年4月〜6月)での大ブレイクで知られるが、今作はその直前のクールに放送されたもの。若さみなぎる23歳の爆弾魔・キムタクに、老獪な古畑がどう相対していくのか。ファン必見の回だ。
同率1位の「犯人」は...?
そしていよいよ2位の発表と行きたいところだが、なんと2組が同率1位でランクインする結果となった。
1人は元プロ野球選手のイチローさん(240票)。06年1月4日放送のファイナルシリーズ「フェアな殺人者」で、フリーライターを殺害した同名のメジャーリーガー役を演じた。イチローさん自身も命の危険に身を投じ、またあえて事件の手がかりを残すなど、ストーリー通じて「フェア」な戦いを敢行。国民的スーパースターの役者挑戦は、大きな話題をさらった。同回は田村さんの追悼特別番組として、5月20日と21日の昼間にフジテレビ系で再放送された。
そして同率1位となったのが、男性アイドルグループのSMAP(240票)。99年1月3日放送のスペシャル「古畑任三郎 vs SMAP」に、メンバー5人(中居正広さん、木村拓哉さん、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さん)全員が本人役で出演した。ストーリーは、宇梶剛士さん演じる美術スタッフを、メンバー5人が共謀し「首吊り自殺」に見せかける形で殺害。お互いがアリバイを作る中、古畑が事件の核心に迫っていくというものだ。
当時のトップアイドルが本人役で出演するという斬新さが世間の注目を集め、平均視聴率は32.3%を記録。田村さんの訃報を受け、ツイッター上では同回の「再放送」を望む声も聞かれているようだ。