ODA全面停止は「大きなメッセージにはなる」
北角さんにとって「苦しかった」ことのひとつが、ペンと紙を持つことが許されなかったことだ。それでも拘束の様子を何とかして記録しようと試行錯誤したことも明かされた。
「私としては、どうにかしてこの状況を記録しようとして、何回も頭の中で考えたり、そこにあるモノを使って、何とかペンの代わりになるものを使えないかと探していて、お茶のガラをスプーンの柄の部分で書いてみたり、泥を使ってみたりとか、いろいろしたが、最終的には、ブラックのインスタントコーヒーを非常に濃くしたものを鳥の羽で書く、というのが一番文字が書けるということがわかったので、それで紙の切れ端にメモを取っていた」
日本とミャンマーの関係をめぐっては、茂木敏充外相が5月21日付の日本経済新聞のインタビューで、ミャンマーへの政府開発援助(ODA)の停止も辞さない考えを示している。日本は、金額を明らかにしていない中国を除けば、ミャンマーにとって最大の支援国だ。経済的援助の打ち切りを示唆することで、国軍側に事態の改善を促す考えだ。
北角さんは次のように話し、ODA見直しを歓迎した。
「それで問題が解決するとは思わないが、大きなメッセージにはなるとは思う」
「日本はミャンマーの民主主義、民主化を促進するために多額のODAを投入してきたわけだが、この体制で一気に逆戻りしているので、効果がすでに現れないものについては、見直すというのは当然のこと」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)