東京都豊島区内のJR池袋駅東口の区指定喫煙所は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言後に閉鎖されたが、周囲でタバコを吸う人が後を絶たず、吸い殻も散乱して、区も対応に苦慮している。
入口にロープが張られ、中に入れないように、植栽のプランターが置かれた喫煙所の外では、少なくとも10人がタバコを吸っている。
「喫煙者ばっか締め付けてる」「何故代案なしで実施」との声も
近づくと、周囲の路上には、無数の吸い殻が散乱していて、酷い状況だ。
ライブストリーマーの野田草履さん(@nodazourimune)は2021年5月11日、ツイッターでこんな写真を投稿し、「毎日この惨状」だとして動画でも紹介した。
同様な写真投稿も、ツイッターなどで相次いでおり、様々な意見が寄せられている。
一部喫煙者への非難は多く、「マナーなってないですね」「これだから喫煙者のイメージが悪くなる」「せめて携帯灰皿くらい使えば良いのに」などと厳しい声が出た。一方で、「喫煙者ばっか締め付けてる」「感染防止は解りますがやり方が変」「何故代案なしで実施すんのか」と、一方的に閉鎖されたとして不満の声も上がっていた。
豊島区では、池袋駅の東口と北口にある区内2か所の指定喫煙所をGW前の4月25日から閉鎖している。その理由について、区の環境保全課長は5月19日、J-CASTニュースの取材にこう説明した。
「1密でも2密でも感染リスクはあり、人流を抑える目的もあります。タバコを吸うときにマスクを外して談笑する人もいますし、掃除をする職員が長時間現場にいるリスクも考慮しました。閉鎖の解除は、宣言が明けてから他の施設の状況を見て決めたいと考えています」
「飲食店も時短や営業自粛をしており、行って下さいとは言えない」
豊島区によると、閉鎖後に喫煙所の外でタバコを吸っている人は、より規模の大きい東口では、常時20人ほどいるという。
職員が巡回して喫煙者に注意しているものの、現場に張り付いているわけにもいかないといい、イタチごっこの状態のようだ。
区では、2011年に路上喫煙及びポイ捨て防止に関する条例を施行し、路上喫煙やポイ捨てを禁止している。さらに、池袋駅周辺などの重点区域でのポイ捨ては、2万円以下の罰金に処せられる。
喫煙所の外でタバコを吸えば、条例違反になり、「たとえ、携帯灰皿を持っていたとしても、路上喫煙をしてはダメです」と区の環境保全課長は言う。一方、ポイ捨ては、罰金対象にもなるが、これまで徴収した実績はないとした。
「徴収するのが目的ではなく、反社会的行為だとの意識を喫煙者の方に醸成してもらうためです。しかし、なかなか守られずに苦慮しており、今後徴収がないとは言えないです」
喫煙所の代案を求める声が出ていることについては、こう説明した。
「宣言下で、不要不急の外出を控えるよう呼びかけている状況です。飲食店も時短や営業自粛をしている中で、行って下さいとは言えません。代わりを積極的に案内するのは難しく、ご自身で調べていただくしかないと考えています。この状況が続くなら、感染リスクがある中でも人を割いて注意せざるを得ませんので、ご理解やご協力をお願いしたいと思っています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
毎日この惨状#池袋東口 pic.twitter.com/v35F3bvb6D
— 野田草履Pの裏アカウント (@nodazourimune) May 12, 2021