米映画俳優のシルヴェスター・スタローンさん、「機動戦士Ζガンダム」のクワトロ・バジーナ、「ジョジョの奇妙な冒険」のジャン=ピエール・ポルナレフ――SNS上では彼らのファッションに注目が集まっている。共通点は「肩を出す服」を着ている印象が強いことだ。
このような肩を出している服が、新型コロナウイルスのワクチンを接種するのに適しているのではないかと話題になっている。
J-CASTニュースは、厚生労働省にワクチン接種の際の服装のポイントを取材した。
注射位置は、肩の出っ張った部分から約6センチ下の部分
医療従事者を名乗るアカウントの間で、新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種する際には肩を出せるような服を着てきてほしいという呟きが相次いでいた。するとSNS上では、ワクチン接種時の服装を考える動きが起こり始めた。ツイッター上では2021年5月18日ごろから、「#ワクチン接種日のコーデ」というハッシュタグが広まり、肩を出している俳優やキャラクターのファッションが話題となった。
厚生労働省の担当者は、「腕を出しやすい格好でワクチン接種にいらっしゃるよう呼び掛けています」と話す。
新型コロナウイルスワクチンは、国内ではあまり行われてこなかった筋肉注射だ。筋肉注射としては子宮頸がんを予防するHPVワクチンなどが知られており、インフルエンザワクチンなどの皮下注射とは打ち方が異なる。
厚労省が医療従事者向けに公開している資料によると、筋肉注射は通常、上腕の三角筋に注射する。注射位置は、肩の出っ張った部分(肩峰)から3横指(約6センチ)ほど下の部分にあたる。そのため長袖などを着てきてしまうと、裾をまくっても注射針が届かない可能性がある。
前出の厚労省担当者によると、もし打ちづらい服装でワクチン接種に来てしまった場合は、現場の判断によるが、服を脱いで対応してもらうことがあり、時間がかかってしまう可能性もあるとのことだった。ワクチンを接種する際には、自治体などが配布する資料を改めて参照するよう呼び掛けている。