新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中、感染のリスクを抑えるため、全国各地の小・中学校が運動会の中止、延期を決めている。
「息子は運動会を楽しみにしていました。徒競走で『1等賞を取る』と張り切っていたけど中止が決まり、家で泣いていました」――。こう複雑な胸中を口にしたのは、北海道在住で小3の男児を持つ父親だ。
「子供でも不思議に思うことなのに」
政府は東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発令している緊急事態宣言の期限を2021年5月31日まで延長。愛知、福岡を新たに対象地域に加えた。
「まん延防止等重点措置」の対象地域だった北海道、岐阜県、三重県も感染拡大の勢いが止まらないため、政府は方針変更して14日に3道県に緊急事態宣言を出した。宣言地域を中心に、運動会を断念する小・中学校は少なくない。
先述した北海道在住の父親は、運動会中止に泣いた息子の話について、こう続ける。
「東京五輪は開催すると政府が発言しているニュースを見て、息子に『運動会はやらないのに、なんで五輪はやるの?』と聞かれて...。
答えに窮しましたがその通りですよね。海外の何十カ国から選手たちが日本に集まる五輪の方が運動会よりもコロナの感染リスクがはるかに高い。子供でも不思議に思うことなのに、政府は矛盾を感じないのでしょうか」