俳優の吉沢亮さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「青天を衝け」の第14話が、2021年5月16日に放送された。視聴者の間で注目を集めているのが、俳優の草彅剛さん演じる徳川慶喜の「覚醒」シーンだ。
朝廷を利用し、権力を握ろうとする輩
大河ドラマ60作目。主人公は「日本資本主義の父」こと新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一で、2015年後期朝ドラ「あさが来た」で知られる脚本家・大森美香さんのオリジナル作品となる。幕末から明治と、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、近代日本のあるべき姿を追い続けた生涯をエネルギッシュに描く。
第14回「栄一と運命の主君」では、慶喜の側近でブレーン的存在の円四郎(堤真一さん)の計らいで、栄一と慶喜の対面が実現。栄一が、このままでは徳川幕府が危ういこと、幕府が潰れれば御三卿である一橋家や慶喜ももろとも潰れてしまうと進言。その熱意が買われ、栄一は一橋家に仕官することになった。
一方、慶喜は、どうやら外様である薩摩藩の権力者・島津久光(池田成志さん)が、朝廷側の要人・中川宮(奥田洋平さん)を取り込み、裏で権力を握ろうとしていることに気づく。
朝議参与でありながら幕府の将軍後見職でもある、いわば「板挟み」状態の慶喜。ある参与会議の日、第14代将軍・徳川家茂が島津にお酌をしたことを、徳川の威光を失墜させる行為だと怒った慶喜は、島津に力を与えたであろう中川宮に直接話を聞きに行くことに。