かつてブームを巻き起こした焼き牛丼チェーン「東京チカラめし」が、2021年6月に香港に進出する。
再成長を占う挑戦ともいえ、運営会社は取材に「このエリアでの成否により、東南アジア近隣諸国への進出への試金石になる」と意気込みを語った。
100店舗超→3店に激減も...
東京チカラめしは、居酒屋チェーン「金の蔵」などを手がける「三光マーケティングフーズ」(東京都新宿区)が運営する。
2011年に東京都豊島区に1号店をオープンすると、焼き牛丼という目新しさが受けてピーク時は100店舗を超えた。情報誌『日経トレンディ』の「2012年ヒット商品ベスト30」にもランクインした。
しかし、急激な出店攻勢でQSC(クオリティー、サービス、クレンリネス)低下を招き、牛肉や米の高騰もあって現在は3店舗のみとなった。
香港1号店は今年6月下旬に、繁華街の旺角に出店する。現地で飲食事業を展開する企業とライセンス契約を結び実現した。
店舗デザインやメニュー構成は日本と同じで、店内は現地の習慣に合わせた設計を検討している。同社は、開店前後のオペレーション教育や、食材・機材の事前チェックなど支援に回る。
16年にも「東京チカラめし」ブランドでフィリピンの首都・マニラに進出していたが、ライセンス契約をした企業の事情などにより2年で撤退していた。