沖縄県の自動車税納税通知書が封入されている封筒のデザインが、一般的に抱かれているおカタイ公的機関のイメージに反して派手だとしてツイッター上で話題になった。
2021年5月13日にツイッターユーザーが投稿した封筒の写真を見ると、全面がピンクでキャラクター化した車などが描かれている。所々に青や黄色も使われたポップな配色になっており、「収めて発進!自動車税」の文字は緩めの書体だ。J-CASTニュースは沖縄県総務部税務課に電話取材し、デザインの理由を聞いた。
「ピンクで安心感・幸福感を与えたい」
前出の封筒の投稿は1万回以上リツイートされるなど拡散。「パッと見、車屋さんのDMと勘違いしそうですね」「極端すぎる気もしますが、無慈悲で冷酷な催促より少し気がまぎれるかも?」といった声が飛び交い、印象に残ったユーザーは少なくないようだ。
毎年5月ごろに各都道府県から自動車の所有者に送られる自動車税納税通知書。今回話題になった沖縄県の同書の封筒デザインについて、税務課の担当者は、
「ピンク色の封筒は2010年度から使用しています。キャラクターなどはポスターと連動させており、ここ4~5年はこのようなデザインです。デザインは複数社からのものを審査したうえで毎年決定しています」
と話した。
こうしたポップなデザインを採用した目的については、
「納期内納付率の向上が目的です。ピンクの封筒を毎年使うことで毎年この時期に届くという認識を持っていただこうと思い、始めました。ピンクはあたたかみがあり、沖縄で車を使う幅広い人に身近に感じてもらうため、安心感・幸福感を与える色として採用しました。実際、納期内納付率は上がっておりまして、効果は表れていると感じております」
とのことだった。
税務課の提供資料によると、沖縄の自動車税納期内納付率は16年度の84.5%から19年の88.3%まで毎年上がっている。全国の同納付率も毎年上がっているが、沖縄はそれより3~4ポイント高い数値で推移。翌20年度は87.3%に微減したが、それでも全国の同85.9%より高い。沖縄の20年度の低下について担当者は「コロナの影響で猶予の相談があったためです」としている。
封筒のデザインに関して納税者から問い合わせの声はないとのことだが、「(県民に)なじんできているのではないか」と話した。
今後の予定について、「定着させるべくこれからも同様のデザインの採用を行っていく予定です。また、納税にはPayPayなどもご利用いただけますので、納期内納付のご協力をよろしくお願いいたします」と話している。沖縄県の21年度の自動車税納付期限は5月31日。