同人誌即売会は「漫画の裾野を広げてきた」 コミティア支援の出版社が語る「同人文化の重要性」

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距離感が難しい同人誌即売会

   マッグガーデンはコミティアを応援するサイトも設置し、ヤマザキさんをはじめとするコミティア出身の作家の応援メッセージなどを掲載している。コミティアのクラウドファンディングを周知したいという想いと、沢山の作家に出会った大事な場であることを伝えたいという意図から用意したとのことだった。

   その一方で、新福さんは同人誌即売会とは適切な距離を保っていきたいともは話す。

「同人誌即売会は商業から切り離されたところで、自由に創作活動を行いたいという理念があるのではないかと思います。そのため今回弊社では寄付をさせていただきましたが、今後スポンサーや協賛といった形で支援することは想定しておりません。
これは個人的な考えですが、資本関係の中にひとたび組み込まれたら自由な創作は残るのかという疑問があります。やはりビジネスになった瞬間に描けるもの、描けないものが生まれてきてしまうのではないかと考えると、そのきっかけにはなりたくないなという思いもあります」

   また新福さんは同人誌即売会に参加する際には、文化 に敬意をもって接したいと話した。

「同人誌即売会で『商業出版にしませんか』と出版社が言って回ることが正なのかということは、自分自身、常に問い続けないといけないと思います。商業出版だけが漫画である訳ではないので。一定のリスペクトや理解を持ったうえで、適切な距離で関わらせていただければ嬉しいなと思います」

   そして最後に、こう訴えた。

「弊社としては、同人イベントというのは距離感を間違えてはいけないと思いつつも、非常に意義深いものだと思っています。
コロナによるイベント存続の危機は終わっておらず未だ、予断を許さない、いつなくなってもおかしくない状態だと思います。僕が述べる事ではありませんが、コミティアにしてもコミケットにしても、ひとりひとりの参加者のコミットメントこそが力なのだと思いますので、自分が好きなイベントは引き続き気にかけてほしいと思います。僕個人としても、継続したコミットを行いたいと思っています。」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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