同人誌即売会は「漫画の裾野を広げてきた」 コミティア支援の出版社が語る「同人文化の重要性」

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同人誌即売会が減少すると・・・

   しかし新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、コミティアをはじめとする同人誌即売会の開催は減少している。同人誌即売会が減少するとマンガ業界はどうなるのだろうか。 マッグガーデンの飯田さんと新福さんは、危機感を露わにする。

「ファーストチョイスになる出版社群はブランドと資本力がありますので門戸を叩いて頂けるという状況が残り、もしかすると趨勢に影響はないかもしれません。ただ、『魔法使いの嫁』がそうであったように、こぼれ落ちるものはある。イベントがあるからこそ、そういった作品を世に出してみようと作家も思うので、なくなれば、世に出るべきだった作品が日の目をみない事に繋がるのではと思います」(新福さん)

   BookLiveの河田さんも、影響が出てくるのではないかという見方を示す。

「同人誌即売会が減ってしまうと、クリエイターや作家さんが作品を発表する場が少なくなってしまいます。直接どのくらい影響が出てくるかはわかりません。すべての作家さんが同人誌即売会で育つわけではないですが、ここから生まれてくる作家さんもいらっしゃいますし、才能を持った人が世に出るチャンスは多いほうがいいと思います」

   一方で昨今は、オンラインの同人誌即売会が頻繁に開催されている。マンガワンの和田さんは、オンラインでのイベントがリアルに代わる可能性があるとみている。

「描きたい人思っている人とそれを欲しいと思っている人は、イベントがなくなったら消滅するのではなく、取引の流れを変えて残ると思います。
いろんなイベントがオンライン開催を模索していく中で、便利なものが登場すればリアルイベントに代わってくる可能性もあると思います。
リアルイベントのいいところは偶然通り過ぎた人の目に留まるようなところだと思いますが、同じようなことがSNS上でも起きているので、それも置き換え可能なのかもしれません」

   J-CASTニュースは以前、大規模同人誌即売会の主催者たちにオンラインとオフラインイベントの違いについて取材している。(「コミケ運営・赤ブー・コミVに聞く コロナ禍で浮き彫り、同人誌即売会の『役割』と『これから』」、2020年7月29日配信)その際、主催者たちは参加者のモチベーションを心配していた。

   マッグガーデンの新福さんも、「筆が止まってしまう人もいるのではないか」と心配している。

「オンライン上の数字が可視化された世界に晒された時、商業やほかの人気作品と同じ土俵の中でモチベーションが維持するのは難しいのではないかなと思います。目の前でお客さんが購入する『1』とダウンロード数の『1』では受ける印象も違うのではと思います。
本を手にしてくれる人を目の当たりにすると、次の執筆へのモチベーションにもつながる。そういう相手がみえる交流も書き手にとって大きな意義でしょうから、それが喪われると執筆を止めてしまう方もいるのではという心配はあります。」
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