同人誌即売会は「漫画の裾野を広げてきた」 コミティア支援の出版社が語る「同人文化の重要性」

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   新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、多くの同人誌即売会が存続の危機に瀕している。オリジナル作品「一次創作」に限定した日本最大級の同人誌即売会「コミティア」もその一つで、2020年8月から10月にかけて開催継続のためのクラウドファンディングを実施した。

   これにはファンだけでなく、出版社などの企業からも多額の寄付が寄せられ、最終的な支援総額は1億4000万円を超えた。マンガ業界はなぜ、同人誌即売会の存続を支えたのだろうか。J-CASTニュースは、コミティアを支援した小学館、マッグガーデン、BookLiveに取材した。

  • 小学館・マンガワン編集長の和田裕樹さん(左)とマッグガーデンの取締役社長である飯田義弘さん(右)
    小学館・マンガワン編集長の和田裕樹さん(左)とマッグガーデンの取締役社長である飯田義弘さん(右)
  • マンガワン編集長の和田裕樹さん
    マンガワン編集長の和田裕樹さん
  • コミティアにゆかりのあるマッグガーデンの作品
    コミティアにゆかりのあるマッグガーデンの作品
  • マッグガーデンの取締役社長である飯田義弘さん(右)と看板作品「魔法使いの嫁」担当編集の新福恭平さん(左)
    マッグガーデンの取締役社長である飯田義弘さん(右)と看板作品「魔法使いの嫁」担当編集の新福恭平さん(左)
  • 「魔法使いの嫁」登場キャラクター達と並ぶ新福さんと飯田さん
    「魔法使いの嫁」登場キャラクター達と並ぶ新福さんと飯田さん
  • 小学館・マンガワン編集長の和田裕樹さん(左)とマッグガーデンの取締役社長である飯田義弘さん(右)
  • マンガワン編集長の和田裕樹さん
  • コミティアにゆかりのあるマッグガーデンの作品
  • マッグガーデンの取締役社長である飯田義弘さん(右)と看板作品「魔法使いの嫁」担当編集の新福恭平さん(左)
  • 「魔法使いの嫁」登場キャラクター達と並ぶ新福さんと飯田さん

同人誌即売会はマンガ業界にとって重要な存在

   コミティアは、プロ・アマチュア問わずたくさんの人々が創作を通した交流を行うことができるイベントだ。この場を通じて商業デビューする作家も多数おり、同イベントの代表である中村公彦さんは、「日本のマンガ界に貢献、底上げしてきた」として2013年に文化庁メディア芸術祭功労賞を受賞している。

   電子書籍の配信サービスで知られるBookLive(東京都港区)は、クラウドファンディングでコミティアを支援した企業の1つだ。河田洋次郎執行役員は、同人誌即売会はクリエイターが集まる重要な場の1つであると考え、コロナ禍で途切れてしまうのは非常に残念なことだと話す。

「同人誌即売会はこれまで漫画の裾野を広げる下支えとなってきているものとみられ、マンガ業界にとって重要な存在の1つだと思います。コミティアを回ると色んな面白い作品を並べている方がいらっしゃいます。たくさんのクリエイターが多様なジャンルの作品を持ち寄り、直接お話をすることができる。作家同士はもちろん、編集も新しい刺激をもらうことが出来ます。
こうしたイベントがコロナで開催できず、途切れてしまうのは残念なことと考え、当社として出来うる支援はないかという視点で検討し、今回のクラウドファンディング参加に至りました」

   小学館(東京都千代田区)も、マンガ雑誌アプリ「マンガワン」や「週刊少年サンデー×ゲッサン×サンデーGX」名義などでコミティアの支援を行っていた。マンガワン編集長の和田裕樹さんは、アマチュアの漫画家が活躍する場が業界にとっても重要だと話す。

「広い意味で言えばマンガ業界は、商業連載している人だけではなく、個人で自由に創作をしている人も含まれるものだと思います。例えばサッカーや野球などでは、少年リーグや草野球のようなアマチュアがあってプロというものがあると思います。プロしかいなければ異次元の人が戦っているだけなので。
漫画も同じで、沢山のアマチュアの人々がいてプロの世界に飛び込んでくる人もいる。コミティアのような即売会は大事なアマチュアの場で、将来素晴らしい書き手になる人もいれば、熱心なファンもいる。広い意味で漫画に携わったりたり楽しんだりする人がたくさんいる場が消滅しそうだということで、何とかお力になればと思い支援しました」
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