「レールゴー」は東海道・山陽新幹線では廃止されたが...
九州以外にも、新幹線で荷物を運ぶ取り組みは進んでいる。JR東日本は17年から、新幹線を利用した首都圏への生鮮食料品などの輸送に試験的に取り組んでおり、20年9月に取り組みを拡大。長野県須坂市産のぶどうや秋田県産の枝豆を新幹線で運び、東京駅の物産展で売り出した。21年4月には函館北斗駅から鮮魚や駅弁の定期輸送も始まった。市場で朝買い付けた魚を、その日のうちに東京都内の飲食店で食べられるのが強みだ。
実は、「はやっ!便」に似た取り組みとして、九州新幹線以外の新幹線では「レールゴー」と呼ばれる、駅に荷物を持ち込んで新幹線で運ぶサービスが展開されてきた。電子メールの普及で書類を急いで運ぶニーズが減ったことなどから、06年に東海道・山陽新幹線で廃止され、今も続いているのは東北新幹線(東京-仙台)と上越新幹線(東京-新潟)の2路線。風前のともしびだったサービスに、コロナ禍という意外な理由で追い風が吹きつつある。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)