九州新幹線でも「貨物輸送」開始へ 福岡-鹿児島間で「当日配送」可能に...コロナ禍で需要増えるか

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   新型コロナウイルス禍で新幹線の利用者数が大幅に減少する中、JR九州が乗客と荷物を同時に運ぶ「貨客混載事業」を2021年5月18日に本格的に始める。同社と佐川急便は20年8月に協業に関する基本合意を結んで実証実験を続けており、実用化に踏み切った。

   九州新幹線は博多駅(福岡市)と鹿児島中央駅(鹿児島市)を1時間30分程度で結ぶ。これまで両都市で集荷した荷物は「翌日配送」だったが、新幹線の利用で「当日配送」が可能になる。

  • コロナ禍で乗客が減少する九州新幹線で「貨客混載事業」が始まる
    コロナ禍で乗客が減少する九州新幹線で「貨客混載事業」が始まる
  • コロナ禍で乗客が減少する九州新幹線で「貨客混載事業」が始まる

車内販売廃止で空いたスペースに荷物を積む

   福岡、鹿児島の両都市で佐川が集荷した荷物を新幹線に載せて運び、駅到着後に改めて佐川のトラックで配達する仕組みだ。佐川の荷物が載る新幹線は現時点では1日1往復。博多13時13分発、鹿児島中央14時49分発の「さくら407号」と鹿児島中央12時発、博多13時37分着の「さくら402号」だ。生鮮食品、機械部品、急いで送る必要がある書類などの輸送を想定している。

   九州新幹線では、駅構内のコンビニが充実したことを背景に、車内販売を19年3月に打ち切っている。車内販売用カートを積んでいたスペースを活用して荷物を運ぶ。仮に需要が増えた場合、座席をつぶすなどして搭載スペースを確保する必要が出てきそうだ。

   同じ5月18日にはJR九州独自の取り組みとして、九州新幹線による輸送サービス「はやっ!便」も始まる。博多・鹿児島中央両駅の「みどりの窓口」で受け渡しする仕組みで、博多→鹿児島中央は1日3回、鹿児島中央→博多は1日2回輸送する。例えば鹿児島方面の「午前便」の場合、博多駅に8時までに荷物を持ち込めば、10時45分には鹿児島中央駅で受け取れる。発車間際に乗客が荷物を持ち込むおそれがあるため、具体的な便名は非公表だ。

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