2021年5月11日に放送されたTBS系ドラマ「着飾る恋には理由があって」第4話の中で、主演を務める俳優の川口春奈さん(26)の「食べっぷり」が視聴者の間で話題だ。
「川口春奈さんの食べっぷりが良い、見てて気持ち良い」
ドラマ冒頭、ドライブインで休憩するシーンで、川口さんはあんころ餅を食べていた。時折、その目はこれでもかと大きく見開かれるなどその表情は実に豊か。さらに、その柔らかさゆえに垂れてしまった餅をすする瞬間もあるなど、その豪快な食べっぷりが実に印象的なシーンだった。
次に、川口さんはそば屋でそばを食べるシーンに出演。先ほど同様、大きく目を見開きながらそばを頬張ったかと思えば、添え物の饅頭(まんじゅう)に舌鼓を打つなど、これまた表情豊かに食べるシーンが展開された。
ネット上では、「川口春奈ちゃんの食べっぷりかわいい~シンドイ」「川口春奈さんの食べっぷりが良い、見てて気持ち良い」といった声が視聴者から上がるなど、そのおいしそうに食べる川口さんを "愛でる" 声が相次いだ。
何かにつけその食べっぷりを評価されてきた川口さん
川口さんの「食べるシーン」への歓声は、初回の放送から上がっていた。1話では、俳優・横浜流星さん(24)演じる藤野駿が作ったカレーを食べる川口さんのシーンがあったほか、2話では、やはり駿が作った炒め物を食べるシーンが、そして3話は、駿らシェアハウスのメンバーとのキャンプシーンでの食事と、4話まで毎回、川口さんの食べるシーンがあり、上記のような歓声がその都度上がっているのだ。
また、川口さんはバラエティー番組で料理を楽しむ際に、やはり、その食べっぷりが良いとする声が上がることが多いのも事実。4月9日に放送された「ぴったんこカン・カン」(TBS系)では、大口を開けて特大の餃子を頬張るシーンに対し、「餃子を一口でいくあのお顔! たまりません」といった声が上がるなど、何かにつけその食べっぷりを評価されてきた芸能人なのだ。
物に埋もれて生活するくるみが、料理人たる駿に出会うのは「必然」
ドラマ以外でもその食べっぷりを評価されるところからして、恐らく、川口さんの食べっぷりの良さは「素」であると見て良いだろう。それを買われ、ドラマで食事シーンが頻発しているとすれば、川口さんという「素材」を生かしていると言えそうだ。
ただ、その川口さんが「着飾る恋には理由があって」で「食べる」という行為を行うのは、それ以上の意味はありはしないか。というのは、川口さんが「食べている」という状況が、実は、作中で本人が「着飾っている」という状況のアンチテーゼに思えてならないからだ。
というのも、川口さんは作中ではインテリアメーカーの広報担当者として働く真柴くるみを演じているが、その職業柄、川口さんはその都度華やかな衣装で出演し、そして、その設定上、くるみの自室にはこれでもかと多数の服が並んでいる。そして、その私物の多さには、1話で横浜さん演じる駿が、「しかしまあ、何をこんな溜め込んでんだか。カオスだね」と評するシーンがあるなど、くるみが、その私物の多さゆえに「物に埋もれて生活している」ことが描かれているのだ。
しかし、一方の駿は1話で明らかになった通り、徹底した「ミニマリスト」。必要ないものをこれでもかとそぎ落とした生き方で、時にくるみと対立することもあるが、そのくるみは徐々に駿の価値観を理解し始めるというのが本作の本線。そして、その駿の職業は料理人という、「その場で消滅するもの」を作ることを生業としているところからすると、くるみの目の前に現れる駿の職業が料理人というのは、物語の本線を維持しようとするならば、それこそ必然の設定なのではないだろうか。
つまり、常に着飾りながら働き、「その場で消滅しない」服をため込みつつ日々を送るくるみと、常に不要なものをそぎ落としながら「その場で消滅するもの」である料理を作ることを生業とする駿の生き方が作中で対比されているのではないかということである。
作中で川口さんが食べている料理の全てが駿が作ったものではないが、それでも、1話ではカレーを、そして、2話では炒め物を、そして、4話では餅とそばを横浜さんの目の前で表情豊かに食べていた川口さん。これら、川口さんが食べっぷり良く勢いよく食べるシーンは、ともすれば物に埋もれてしまいがちなくるみが駿の価値観を取り込み、その価値観が変化していくことを象徴しているのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)