「歯科医師」によるワクチン接種のための筋肉注射について
その内容は、医師等の資格を有さない歯科医師が ワクチン接種のための筋肉内注射を行うことは医師法第17条に違反するが、今回、(1)歯科医師の協力なしでワクチン接種ができない、(2)筋肉内注射の経験か研修を受けている、(3)被接種者の同意――という条件があれば、医師法第17条との関係では違法性が阻却され得る、というものだ。
率直にいえば、違法だが超法規的措置で違法でないというのだ。本来、違法かどうかは裁判所が判断するものであり、政府が言えないのに言っているので、超法規的措置とみていいだろう。
筆者は長年役人経験があるが、こうした超法規的措置の通達は見たことがない。そのくらいびっくりしたが、いよいよ政府は背に腹は代えられない状況なので、7月末までに、重症化割合の比較的高い65歳以上高齢者全員のワクチン接種に向けて本気で取り組んでいるのだろう。
となると、7月末までに高齢者接種完了は無理という民間予測も変更しないといけないだろう。ちなみに、政府が全国1741市区町村を対象に実施した調査で、「接種を7月末までに終えることができる」と約1500自治体が回答したという報道もあった。