脳波測定などさらなる研究も
――研究の限界と今後の課題について
本研究の限界として、いくつかの点が挙げられます。
1、 本研究では、exergaming(RFA)と従来の運動療法の比較検討をしていないため、慢性腰痛患者の疼痛改善効果について、exergamingの(従来の運動療法に対する)相対的な優劣を論じることはできない。
2、 本研究では、RFA群においても、それまでに処方されていた内服薬を変更・中止することなくRFA介入を行なった。本研究で内服薬投与群と比較してRFA群での治療効果優位性が示されたが、その結果について内服薬の効果を完全に排除することは出来なかった。
3、 本研究では、週1回40分(ゲーム内でカウントされる純粋運動時間ではなく、現実のゲームプレイ時間)のRFA エクササイズを行なった。今後、慢性腰痛の改善に最適なプロトコルを見つけるために、エクササイズの頻度とプレイ時間について更なる分析が必要である。
RFAが慢性腰痛に有効であることは示されましたが、脳内でのメカニズムなど、未だ不明なことが多く残っています。我々は今後、慢性腰痛患者様にRFAプレイ中に脳波を測定させて頂いたり、MRIなどの画像機器を駆使したりして、RFAプレイ前後やプレイ中の脳活動について、更なる考察を行なっていきたいと考えています。