効果があったRFAならではの特徴は?
――RFAのどのような側面が腰痛改善につながったと考えられますか
今回の結果についての考察として、複数の要素が痛みの改善につながった可能性が考えられました。一つには、エアロビクスなどの有酸素運動、筋力トレーニングなどの無酸素運動、呼吸と筋肉の弛緩を重視するヨガなどのあらゆるタイプの運動が取り入れられ、全身運動により身体の筋肉や関節の血流が改善したり柔軟性が増したりした結果、痛みを改善させたという可能性。
もう一点は心理面の効果として、ゲームへの没入感や各ポイントのクリアによる達成感など、自身の運動を原動力とした成功体験が脳のドパミンシステムを改善し、自覚していた疼痛(とうつう)が緩和したとも考えられます。ちなみに本研究は全ての患者さんが楽しく参加され、途中脱落者は0でした。
――効果はリングフィットならではといえるでしょうか
先ほども挙げた通り、運動療法が運動器の痛みに効くことは以前からわかっていたことですが、その運動を老若男女の誰しもが効果的に継続をすることができるか、ということが大きな問題点でした。
RFAの運動プログラム自体はフィットネスクラブで指導してもらえるものと変わりはないと思いますが、RFAの卓越したゲーム性により、汗をかきながらもゲームのストーリーに引き込まれ、様々な難所をクリアしていくことで脳内の報酬系が働き、辛い運動を驚くほどの持続力で継続させるという、これまで誰にも出来なかったことに成功した、稀有な治療デバイスだと思います。
他のフィットネスゲームについては検討をしておりませんので、今回は批評を差し控えたいと思いますが、ゲームのノウハウを詰め込んだ今回のようなexergamingソフト(フィットネスゲーム)の登場はこれからの時代に切に望まれると思っています。