嵐の二宮和也さん(37)がMCを務めるバラエティ番組『ニノさん』(日本テレビ系)の2021年5月9日の放送で、熱で溶かした接着剤を出す工具「グルーガン」を使ったメイク方法が紹介された。
放送後、ツイッター上では、「グルーガンで涙メイク」がトレンド入り。グルーガンの接着剤は本来肌につけるものではないので皮膚炎を起こすのではないか、熱で再融解してしまうのではないかといった心配の声が広がった。
J-CASTニュースはグルーガンや塗布機の輸入、販売製造を行っているテクノス(東京都葛飾区)に、番組で紹介された使用方法の危険性などを聞いた。
「炎症やアレルギーの可能性」
『ニノさん』は、二宮さんとゲストが話題の情報や気になる情報を紹介するバラエティ番組だ。番組内コーナーの1つ『JK流行りものダービー』(JK・女子高生)で流行のメイクを紹介、その1つとして「グルーガン涙メイク」が挙げられた。
「グルーガン涙メイク」とは、溶けたのりを一度空き缶やクッキングシートの上で涙の形になるように成型した後、完全に冷めて乾くまで待つ。その後つけまつげ専用接着剤を使い顔につけるメイク方法だ。
番組では、"女子高生社長"として有名になった会社経営者の椎木里佳さん(23)が「涙をたらしているように作るんですけど、それをつけまのり(つけまつげ専用接着剤)とかで貼るんです」と紹介するVTRが流れた。
この内容にツイッター上では、「グルーガン、日光でまた戻ったりするからほんとに皮膚溶けるよそれ」「グルーガンで涙メイクとかやばぁ......肌に悪いとか考えないのか......」「グルーガンで......メイク......?有害ですよ???」といった投稿が相次いだ。
こうした指摘について、J-CASTニュースは11日、グルーガンを取り扱うテクノスの担当者に聞いた。
まず、ネット上で懸念されていた、グルーガンで用いる接着剤が肌に与える影響について聞いたところ、
「グルーガンには接着成分のEVAというプラスチックと似た成分が含まれています。炎症やアレルギーの可能性があります。また、本来の用途とは違うので(このようなメイク方法は)控えてほしい」
と回答した。また、皮膚用とされている接着剤であっても、基本的には化学薬品なのでパッチテストを行って使用してほしいという。
再融解の可能性は?担当者に聞くと...
また、グルーガンメイクで炎天下に出ると、肌に乗せた接着剤が再融解してしまったり、熱をもった接着剤で火傷してしまったりする危険があるのではないか、といった指摘が出ていた点については、
「まず、融解点と軟化点があります。製品によって異なるので一概には言えませんが、融解点は100度前後からになることが多いので、基本的にはないでしょう。軟化であれば考えられます」
という。軟化点は60度前後からだが、やはり製品によってはもっと低い場合もあるとのことだった。ただ、コスプレで使うウィッグや金属への使用に関しては、黒い部分や金属部分に熱が集まって溶ける可能性があると答えた。
そのほか、番組の内容をめぐってネット上では、グルーガンを直接肌に使うという誤解も広がっていた。融けた直後の接着剤は非常に高温で粘土の高い液体になるため、「グルーガンで涙メイクって聞いて熱くないのかなって」「グルーガンで涙メイクって大丈夫なの、、熱くないの、、」などという声も出ていた。
これらの誤解に基づく使用法について、担当者は「絶対にやめてください。火傷します」と注意を呼び掛けた。