俳優の吉沢亮さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「青天を衝け」第13話が、2021年5月9日に放送された。徳川慶喜の側近・平岡円四郎を演じる俳優の堤真一さんの懐の深い演技が話題になっている。
円四郎を頼って京都に向かった栄一たち
大河ドラマ60作目。主人公は「日本資本主義の父」こと新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一で、2015年後期朝ドラ「あさが来た」で知られる脚本家・大森美香さんのオリジナル作品となる。幕末から明治と、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、近代日本のあるべき姿を追い続けた生涯をエネルギッシュに描く。
堤さん演じる平岡円四郎は、第15代将軍・徳川慶喜(草彅剛さん)に仕える側近。慶喜からの信頼を厚くし、筆頭クラスの用人にまで昇進した、いわば慶喜のブレーン的存在だ。
第13話「栄一、京の都へ」では、栄一と幼馴染の喜作(高良健吾さん)が志士を目指し、かつて世話になった円四郎を頼りに京都へ行く。2人は憧れであった志士たちを訪ねるも、彼らはすっかり尊王攘夷に対する志を失っており、話にならない。栄一はこのままではダメだと、今は身を潜めている幼馴染の剣豪・長七郎(満島真之介さん)に「眠る志士たちの目を覚ます」と、一度は断念した「横濱焼き討ち計画」を再始動する旨を記した手紙を送るが、ひょんなことからその手紙が、あろうことか幕府の手に渡ってしまう。
堤さんから放たれる圧倒的包容力「理想の上司なんだよなぁ」
そんな栄一たちに対し、円四郎は「お前らの気質は多少知っている。悪く計ろうとは思っちゃいねぇ」「包まずに話せ」と優しく促し、経緯を聞く。すると、栄一は「幕府は政を怠っており、今のままじゃ日の本は成り立たねぇ。一刻も早く幕府を転覆せねばと悲憤慷慨しております」と心の内を明かし、円四郎は「はぁ?」「馬鹿正直な奴だねぇ」と呆れたかと思えば、「お前らが幕府をダメだと思っていても、一橋がそうとは限らねぇ」と正式に円四郎の家臣になることを打診するのだった。
自らに敵対心を持つ栄一たちを受け入れ、解決策まで見出した円四郎。懐の深さが伝わる演技を見せた堤さんに対し、視聴者からは「平岡円四郎の在り方がかっこよすぎる。それを演じる堤真一さんの安定感かつご自身の内側から出てくる円四郎っぽい感じ、何を受け取ってこうしようと思ったのか... すんごく聞きたい」「堤真一さんの平岡さんが理想の上司なんだよなぁ」「堤真一の父性というか包容力が感じられる回だった」などと、堤さん自身から放たれる雰囲気を絶賛する声が続出している。
2021年5月8日放送の「土曜スタジオパーク」(NHK)で、堤さんは円四郎の役作りについて「平岡の妻・やすは、ハッキリとパーンとした人で、俳優の木村佳乃さんそのもの。そのやすを受けて円四郎を演じている」と明かしている。